2025年3月4日 俊正和寛
]]> 地方青果大卸、弘果弘前中央青果(株)(青森・弘前市、大中忠社長、年商318億円)のグループでビルテナント賃貸業の(株)マイタウンひろさき(弘前市、大中廣社長、年商3億円)が運営するJR弘前駅前の商業施設「ヒロロ」(6階建、テナント数53)の存在感が薄れつつある。既報平成30年6月13日付で伝えた通り、地下食品売り場で営業中のキーテナントである食品スーパー、(株)川善屋(青森・つがる市)運営の「ルミエール・ヒロロ店」が7月15日に閉店。後継店候補に打診中だが流動的なためだ。核店舗を失う「ヒロロ」の先行きが見守られている。
「ヒロロ」はもともと平成6年開業の「ダイエー弘前店」の建物として「ジョッパル」の名で完成。17年の閉店まで「弘前駅前の顔」として君臨。ダイエー撤退後は衣類、雑貨、飲食店などが入る複合商業施設として営業を継続したものの、キーテナントであるダイエーの賃料に大きく依存していたジョッパルは21年に負債41億円を抱え破たんした。
22年4月、「旧・ジョッパルの再開発」を選挙公約にした前市長が当選。同時に弘果を中心にジョッパル再開発を計画。翌年、弘果は「マイタウンひろさき」を設立しジョッパル所有者(債権者)から4億円弱でビルを購入。「ヒロロ」開業に向けテナント募集に入った。そうしたなか、問題となったのが市の動き。「ヒロロ」の3階ワンフロアを6億1000万円で購入したのだ。「4億円足らずのビルに対し、一部分をなぜ6億円も出して買うのか」。市議会やオンブズマンが噛みついた。さらに核テナントとなる川善屋誘致の際、「人気ファッションブランドやコーヒー店入居の立ち消え」「隣接する立体駐車場との地下通路の使用不可」を開業直前に通告。“だまし討ち”のような誘致に川善屋も困惑している。ちなみに2階フロアの半分を占めていたサブキーテナントの家電量販店『コジマ・ビックカメラ』も昨年8月に撤退している。
あるテナント関係者は「『ヒロロ』開業前、第三セクターでもないビルのテナント誘致に市職員が奔走していたのに違和感を覚えた。その後、その職員は株式会社マイタウンひろさきの専務取締役に就任。市とマイタウンの関係が不自然だ」と指摘。さらに市が購入した3階部分は市の出先機関として使用中で年間維持費2000万円が税金から充当されているという。「ヒロロ」に入る53のテナント店のうち、飲食店、食品関連販売は12店舗。キーテナント『ルミエール』の閉店で客足が減るのは必至だ。当面、“弘前駅前の顔”の動向は注視されそうだ。