ベルナール・ドゥ・ノナンクールは、“完璧なヴィンテージ”を創造するという、かつてない試みに挑んだ。シャンパンにおける多くのプレステージ・キュヴェは、単一ヴィンテージで構成される。しかし、グラン シエクルは異なる。気候、収量、酸度、すべての条件を見極めながら、理想のスタイルに到達できる最高の3年を見つけ、ブレンドする──それは執念とも呼べるプロセスだった。「ベルナールは“完璧なヴィンテージは存在しない”と考えました。だからこそ、3つの偉大な年を選び、それぞれの特性を掛け合わせて、一つの理想を作ることにしたのです。ヴィンテージの個性を見極め、足りないものを補完し合う構成を取る。まさにアロマとテクスチャーの錬金術です」
実際、初代グラン シエクルは1952年、1953年、1955年のブレンドから生まれた。グラン・クリュのみから選ばれたブドウが用いられ、最低でも10年、マグナムでは16年という熟成を経て市場に送り出される。「それは、ただのシャンパンではありません。熟成の時間が複雑な香りと深みを生み出すのです。私たちがワインに与える最大の贈り物は“時間”。待つこと——それだけが許される唯一のアクションです」
このブレンドの概念は、現在の「グラン シエクル N°25」にも受け継がれており、2008年、2007年、2006年という三つのヴィンテージの特徴が見事に調和している。「エレガントな2006年、シャープな2007年、そして筋肉質な2008年。これらを組み合わせることで、単一ヴィンテージでは到達し得ない奥行きが生まれるのです」
その精神は、グラン シエクルに限ったことではない。ローラン・ペリエは、3つのサヴォワールフェール(ノウハウ)による革新の意思とともにシャンパーニュにおける製造技術の最前線をいくつも切り拓いてきた。