■我々はみな「勝ち組遺伝子」を持ってる
日本と米国などで事業を成功させ、医学博士、理学 博士、農学博士号を持つ佐藤富雄さんは「ツキは偶然でも奇跡でもない。
すべて本人自らがつくり出している」と言います。
佐藤さんによれば、「自分がツイていると思っている成功者には、ある共通の『性質』がある」と言います。
それは「良い思い込み」を持っていることです。
佐藤さん自身、ツキを呼ぶ実践者であり、医学博士号、理学博士号を持つ生物の専門家として科学的に検証しています。
佐藤さんによれば、いま生きている私たちは全員、勝ち組遺伝子を持っているのだそうです。
つまり誰もが勝ち組として生き残っている成功者であり、成功する遺伝子を持っているのだというのです。
その理由はこうです。
人類の歴史は500万年前に始まり、その間4回もあったと される氷河期を乗り越えています。
とくに最後の氷河期は人類にとってかなり過酷でした。
なぜなら当時はすでに人類の体毛は現在と同様にほとんどなく、体温を維持しながら、少ない食料を確保し、生き延びるのは並大抵のことではなかったからです。
もちろん同じ人類として誕生しながら、その進化プロセスのなかで、途絶えてしまった種もあるでしょう。
それでも現在、私たちが生き残って文明社会を築きあげたことは、それじたいが、生き延びた「勝ち組」の証だからです。
その人類が生き延びてきた最大の理由とは、ほかの哺乳類に比べて脳が発達したからです。
■シナプスネットワークが、勝ち組遺伝子をバージョンアップさせる
実は脳が発達するということは、脳細胞が増えることではありません。
細胞の数は生まれた時から変わりません。
脳が発達するのは、1つの細胞からニューロンと言 われる突起が最大10万も生まれ、それが伸びて、脳の神経細胞を繋ぐシナプスという結び目が増殖するからです。
シナプスはいわば脳の情報ネットワークの網目です。
これが密になればなるほど、複雑な情報がやりとりできるようになるのです。
それだけでなく、シナプスネットワークにより、記憶の集積や知識の整合、言語の複雑化、思考の形成などができるようになります。
そのシナプスのネットワークを増やし、脳を発達させるためには、何よりも「明確な目的意識を持つ」ことが重要になります。
なぜなら、明確な目標を立てればそれを達成させるために、知恵を絞る、創意工夫をする、学習するといった複雑な作業が繰り返されるようになるからです。
学習が進んで高度な知能を獲得すると、その情報を受け継いだ次世代の個体は、「勝ち組遺伝子」を媒介として、さらに脳の潜在能力を高めます。
そうやって勝ち組遺伝子を持ったヒトの脳はどんどんバージョンアップしていくのです。
■目標が明確になれば、必要な情報以外を遮断する脳
私たちの勝ち組脳は、明確な目標を持つとどんどん発達すると言いました。
これは本来脳のなかにインプットされた夢や願いごとを、現実のものにしようとする機能が備わっているからです。
これは人間が進化の過程のなかで得た能力の一つとされています。
例えばパーティなどで人と話をしている時には、周りでいろんな会話が飛び交っているにも拘らず相手の人の声しか聞こえないようになります。
同様に電車の中で本を読もうと思った時に、周囲に電車の機械音や音楽、人の話し声などがあるにも拘らず、まるで周囲と遮断されたかのように、その本の活字だけが頭に入ってくるようになります。
これは脳が「こういう思いを実現したい」というメッセージを受けて、必要なものとそうでないものを判断し、不要と判断したものは、ばっさり切り捨てるからです。
ということは、いい目標を設定しやる気を与え続けていれば、その目標がいずれ叶うように脳が導いてくれるのです。
良いことが起こるようにするには「良い思い込みを持つこと」というのは、極めて人間の生体メカニズムの理屈に適ったことなのです。
思い込みや考え方をつくっていくのは言語です。
人間は言葉によっていい考え、思い込みが脳にインプットされ、それが行動を決定し、人生をつくっていきます。
つまり良い言葉を使っていれば、良い行動が生まれ、良い人生が 導かれるのです。
逆に悪い言葉を使えば、悪い人生に追い込まれてしまいます。
そう断言できるのは、佐藤さん自身、口癖によって人生をつくってきた人だからです。
3つの博士号を持ち、また実業家としても成功し、現在は複数の家と複数のヨットを所有するまでに至ったのは、決して才能だけではなく、苦しい時も決してネガティブな言葉を吐かずに、前向きな良い言葉を使ってきたからなのです。
■人間の脳は誰を褒めたかに拘らず、自分の脳を「快」状態にする
良い言葉は自分を励まし、鼓舞するだけではありません。
より重要なのは良い言葉によって良い人間関係を築くことにあります。
現代社会では、人と関わりを持たずに生きていくことは不可能です。
だからこそ他者とどんな関わり合いを持つかが重要になってきます。
良い言葉は、人との関係を良好にして、自分のビジネスや生活をより快適にしてくれます。
ここで確認しておきたいのは、人間の自律神経には自他の区別がつかないことです。
つまり良い言葉の対象が自分でなく、相手に対して向けられても、いい言葉だけを 受け止めて自分の脳の状態を「快」に持っていく性質があるということです。
もし誰かのことを「あなたはできる人ですね」「あなたは素晴らしい人ですね」と褒めたとしても、脳はその「できる」「素晴らしい」という言葉だけをキャッチして、その言葉にふさわしい行動を自らに促すのです。
つまり誰かを褒めることは、自分を祝福することに繋がるのです。
逆に誰かのことを「あんなんじゃダメだ」「あれは最悪だ」などというのは、自分に言っていると同じことになります。
よく飲み屋街などでは、同僚や上司の悪口を言うビジ ネスマンの姿を目にします。
佐藤さんはそういう光景を見るたびに「仕事ができる男とダメ男の違いが、使っている言葉や話している内容によって、如実にわかります」(『ツキを呼ぶ「口ぐせ」「思考ぐせ」』)と言います。「こういう人たちは、自分自身のダメ男ぶりにますます 拍車が掛かっていきます。仕事にも上司にも恵まれず、飲み屋で愚痴を言い合いながらクダを巻いている人は、いつまで経っても出世なんかできないでしょう」(同書)
■口癖は潜在意識に作用し、気づかないところで支配される
一方『うまくいっている人の「口ぐせ」の法則』の著者、植西聰さんも、「どんな夢でも口癖一つで実現できる」と断言します。
「夢や希望を実現したいと思うのであれば、それを毎日唱え続けることです。『こうする。ああなる』と毎日唱えて、その言葉を口癖にすることです。そうすれば、必ずその夢や希望が叶う日がやってきます」 植西さんによれば、人間は潜在意識によって気づかぬ所で支配されており、潜在意識は人間のさまざまな情報に反応してさまざまな現象を引き起こし、突然顕在化するのだと言います。
従って良い言葉を使って いれば、いい情報が潜在意識に働き、良い反応が生まれ、良い行動に結びつくことになるわけです。
この時大事なのは、その夢や希望を疑ってはいけないということです。
「自分は本当にお金持ちになれるんだろうか。やっぱり無理なんじゃないだろうか」と疑いを持った途端、潜在意識にマイナスの情報が伝わり、夢や希望の障害となるようなことを引き起こしてしまうのです。
「幸運を引き寄せて夢や希望を叶えるためには、疑いや迷いを持つことなく、強く願うことが大切なのです」(『うまくいっている人の「口ぐせ」の法則』)
■幸運を引き寄せる7つの言葉の法則
植西さんは、幸運を引き寄せる言葉には、7つの法則があると言います。
植西さんの言う7つの法則とは次の7つのことです。
①上昇志向 より上をめざす向上心や探究心を生む思考習慣。「やってみよう」「がんばるぞ」「よし、もう一歩前へ」「もっと、もっと」など。
②可能思考 希望を持ち、積極的に生きていこうとする思考習慣。「できるんだ」「どうにかなる」「あきらめない」「きっとうまくいく」「さあ、これからだ」
③行動思考 果敢に行動する、積極的にチャレンジしていこうとする思考習慣。「やってみよう」「とにかく動いてみよう」「当たって砕けろ」「行動あるのみ」「なせばなる」など。
④楽観思考 悲観的にならず、人生をプラスに考えていこうとする思考習慣。「だいじょうぶ」「心配ないよ」「クヨクヨしない」「必ず、いいことが起こる」「悪いことなんて起こるはずがない」など。
⑤自愛思考 自分の生き方を大切にしていこうとする思考習慣。「自分が好きだ」「私って、捨てたもんじゃない」「私には長所がある」「私なら、こんなこと簡単だ」「これが私の生き方です」
⑥尊重思考 他人の人生観や考え方を尊重していこうとする思考習慣。「その通りです」「あなたの意見に賛成です」「ごもっともです」「なるほど、よくわかりました」「これはあ なたにお譲りします」など。
⑦貢献思考 人に喜びを与えて貢献していこうという思考習慣。「ありがとう」「おかげさまで」「お先にどうぞ」「あなたのために」「愛してます」など。
■不運を引き寄せる言葉は、使わない
もちろん幸運を呼ぶ口癖がある以上、それとは逆の不運を招く口癖もあります。
とくに「辛いこと、苦しい状況にある時こそ、言ってはいけない言葉があるのだ」と植西さんは言います。
辛い時に言ってはいけない言葉とは、マイナスイメージの言葉です。
たとえば、「もうダメだ」「おしまいだ」「もう堪えられない」「苦しい、悲しい、辛い」「もう可能性はない」などです。
こうした言葉が出るのは本当に苦しい時です。
そこでこの言葉を口にするなというのは酷なようですが、ネガティブな言葉も自分の潜在意識に働きかけますので、より悪いことが引き起こされる可能性があります。
苦しい、辛い状況では積極的で肯定的な言葉を意識的に使うと事態が好転していくようになります。
たとえばこんな言葉です。
「可能性はまだある。大丈夫」「これからが本番だ。面白くなってきた」「楽しい、素晴らしい、うれしい」「自分は運がいい」
これ以外にも使ってはいけない言葉があります。
意外なダメ言葉が、「言い訳」言葉です。
「ですが」「でも」「しかし」「だけど」という言い訳によく使われる言葉。
これらの言葉をよく使う人は当然言い訳がましい人と見られます。
また、これらの口癖がある人には「謝らない」という共通の態度があります。
この口癖を持つ人はどうしても言い訳が先に立つので、誤ることができないのです。
心配性の人も要注意です。
脳はこういう思いを実現したいという思いを実現するようにできていますから、不安なことを口にすると行動がそのように向かってしまうのです。
「心配だ」「不安でしょうがない」「うまくいかなかったらどうしよう」といった言葉は、言ってるとその通りになってしまいます。
どうしても不安な時は次のような言葉を口にするようにします。
「悪いことなど起きるはずがない」「いいことが起きるに決まっている」「よし、やってみよう」「なるようになるさ」
■虚栄心が強い人は、人生を虚しいと思ってしまう
また目標がない、目標を失った人はネガティブな口癖になりがちです。
前出の佐藤さんは運を引き寄せるには目標を持ち、それを口癖にすることが重要だと言っています。
よって目標を失った人は、人生に疲れ、ついつい恨みがましい言葉が出たりします。
「最近疲れちゃって」「ああ、イヤだイヤだ」「何をやっても面白くない」「世の中つまらないことばかりだ」「なんだか虚しい」といった言葉を使っている人は要注意です。
こうした言葉が口癖になっている人は、人間関係が良好でない場合が多いようです。
その一因として挙げられるのが、その人が「いい人」になり過ぎていること。
いい人になり過ぎの人は周りの人から何か頼まれた時に、それを断ることができないような人です。
人に親切にすることはいいことですが、それが度を過ぎてしまうと他人に振り回されて、人生に疲れてしまいます。
つまり自分の人生が他人に占領されてしまい、つい「虚しい」という言葉が出てしまうのです。
同様に人の機嫌ばかり取っている人も、こうした言葉を吐く傾向があります。
人の機嫌ばかり取っている人は、他人に好かれたいと思うあまり他人の機嫌ばかりうかがうようになり、自分の人生のエネルギーを吸い取られてしまうのです。
また虚栄心の強い人もこうした言葉が出がちです。
「人からよく思われたい」「高く評価されたい」という気持ちが強すぎるため、そうならない時に恨みがましい言葉を吐いてしまうのです。
虚栄心が強くなると、嘘をつくことが多くなります。
一流大学卒業ではないのにそう偽ったり。
お金持ちでないのにそのように振る舞ったり…こうした嘘は1度つくと、 その辻褄合わせのためにまた嘘をつくようことになり、そのために大切な人生のエネルギーを浪費してしまうのです。
そうして「虚しい」とか「世の中つまらないことばかりだ」といった言葉が口癖になってしまうのです。
こういったタイプの人は、使う言葉より態度を改善する必要があります。
次のような取り組みが有効です。
・できないことは「できません」と断る
・人の機嫌を取るよりも自分の人生を大切にする
・虚栄心を捨て、自分自身に正直に生きる・好きな仕事に熱中する
・他人の地位や肩書きを気にしない
・自分のダメなところ、劣っているところを好きになる
・自分にはすばらしい将来が待ってると信じる
■日本一の高額納税者、斎藤一人さんの成功する口癖
口癖の重要性を説く人は、実業界に多いようです。
日本一の高額納税者として何度もランキングされた、斎藤一人さんはその代表です。
斎藤さんは、「成功はどんな口癖を持っているかで決まる」と言います。
ただそれは別に難しく考える必要もないそうです。
何か問題にあったら「大丈夫、大丈夫」と言ったり、「頑張ろう、やる気十分です」と言ったり。
自分や他人が明るくなるような口癖を言うようにすればいいのです。
実業家である斎藤さんがとくに戒めているのはお金の悪口を言うこと。
斎藤さんによれば、お金に好かれない人は、必ず「人生金じゃないよってとかそういうことを言う」のだそうです。
そういう悪口は言ってはいけないと。
でも「だからって人生金だとか言いたいんじゃないですよ。大切なものって、友だちも大切だし、友情も大切なんだよね。だけど、お金の悪口を言うのだけはやめたほうがいい」(『斎藤一人さんが教える成功するための口ぐせ』)
斎藤さんが言いたいのは、お金の悪口を言わずに「お金って大切だね」「お金を生み出してくれる仕事って大切だね」とか、そういう当たり前のことを言うことです。「そう言わないとお金から嫌われる」(『斎藤一人さんが教える成功するための口ぐせ』)。
■運を引き寄せる「天国言葉」と不運を招く「地獄言葉」
口癖を大切にする斎藤さんは、人生を良くする言葉を 「天国言葉」、自分も人も苦しくなるような言葉や表現を 「地獄言葉」と呼んでいます。
天国言葉はもちろん、使えば使うほど自分も周りも良くなっていく言葉です。
関係を悪くする地獄言葉は、使ってはいけません。
斎藤さんの天国言葉とは次の8つです。
「愛してます」「ついてる」「うれしい」「楽しい」 「感謝してます」「しあわせ」「ありがとう」「ゆるします」
使ってはいけない地獄言葉は次の言葉と行為です。
「おそれている」「ついてない」「不平不満」「愚痴」 「泣き言」「悪口」「文句」「心配事」「ゆるせない」
どれも、よく使いそうな身近な言葉です。
身近であるがゆえに、逆に言えばその言葉に脳が支配されて、行動がそちらのほうに引っ張られていくのです。
■強運の法則を研究したイギリスの学者
口癖や思い込みで人生が変わるということをなかなか受け入れられない方が、まだいるかもしれません。
そういった方にイギリスのハートフォードシャー大学のリチャード・ワイズマンさんが10年にわたって研究してきた「強運の研究」について、紹介しておきます。
ワイズマンさんによれば、運のいい人には4つの特徴があると言います。
その① なぜかチャンスに巡り合う
その② なぜか選択が正しい
その③ なぜか夢が実現する
その④ なぜか不運を幸運にする
■チャンスに巡り合いたいなら、人の多い場所に出かける
ワイズマンさんはこの特徴から運が良くなる法則を科学的に実証しています。
まず「なぜかチャンスに巡り合う人」ですが、チャンスが多いということは、それだけたくさんの運の出会いがあるということになります。
「人の多い場所に出掛ければ、それだけチャンスがある」ということ。
ただし、ただ人が多い場所に出掛ければチャンスが増えるというわけではありません。
ワイズマンさんによれば運のいい人は、「笑った回数が多い」のです。
統計では運の悪い人に対して、運の良い人は笑った回数が2倍にもなっています。
もう1つの違いがあります。
ワイズマンさんの研究では、 運のいい人は「相手と話すときに手を開いてオープンな身振りで話す」ということでした。
出会いが多いだけでなく、出会いに対してオープンであることが重要だったのです。
チャンスが多い人のもう1つの特徴は、「新しい経験を受け入れるようとすること」です。
いつも同じことばかりしようとするのではなく、たとえば違うルートで会社や出張に行ってみるとか、いつもと違う経験に積極的にアクセスするのです。
さらに、「肩の力を抜くこと」も重要です。
ある人が、ある時気分がいい日にお金を拾う気がしたので、日記に付けてみました。
すると気分が沈んでいる日やほかのことを考えている人はお金を拾わず、心が軽くて気分がいい時にお金を拾うことが多いことが分かったのです。
つまり何かのために必死になっている時は、新しい発見やチャンスを見落としてしまうのです。
運を引き寄せるには日頃から肩の力を抜くように気を付けましょう。
■いざという時のために直感力を鍛える
また「選択が正しい人」では、「直感と本能を信じる人が多い」ことが分かりました。
理屈でAかBかを判断するのではなく、信じる直感や無意識の声を聞いて選択している人が多かったのです。
運気を上げるための直感力を鍛えるにはどうしたらいいでしょうか。
よく使われるのが瞑想です。
仏教や座禅を組むのも方法ですが、ふだんの生活のなかでできる方法があります。
それは、まず椅子にゆったりと腰掛けます。
次に目を閉じて体の力を抜きます。
気持ちが落ち着いたら、好きな言葉を声に出さず、一定の間隔で繰り返し心の中で唱えます。
それを10分くらい行い、ゆっくり目を開けます。
これを1週間に3回ほど、20分ずつ繰り返していくとよいのだそうです。
■不運を幸運に変える人は、気分の切り替えがうまい人
3つ目の「なぜか夢が実現する人」は、実現しない人に比べ、自分が幸運だと信じている人が多かったのです。
さらに自分が出会う人は楽しい人ばかりだと信じていることも分かりました。
自分が幸運だと信じていると自然とやることに粘りが出てきます。
他の人が諦めても一所懸命粘っていけば、その分夢の実現率が高まります。
逆に不運だと思ってる人は「どうせやってもダメだ」「自分には運がない」と最初から諦めて行動を起こさない人が多かったのです。
自分は不運だと思っただけで、チャンスの芽を潰していたのです。
4つ目の「なぜか不運を幸運に変える人」は、不運を運に変える力があるということです。
それは別に起こってしまったことを、変えるということではありません。
研究では幸運に変える人は、起こってしまったことをプラスに捉える人が多かったということです。
たとえば次の場合、どう考えるべきでしょうか?
・車に乗っていたところ、追突されてムチ打ちになった
・また財布を落としてしまい、見つかったけれども中身が無くなっていた
車が事故に遭った、財布のお金がなくなったということは普通は不運です。
しかし不運を幸運に変える人は、事故に遭ってもムチ打ちで済んだことをラッキーと考えます。
財布が戻ってきたことをラッキーと考えるのです。
もう1つ共通していることは、運がいい人は不運や失敗から学ぶということです。
テストなどで伸びていく人と そうでない人の差です。
テストや失敗でなぜ失敗したのかを考える人は、次に同じ失敗をしないように努めます。
倒れてもただでは起きないのが幸運の持ち主なのです。
もう1つ不運を幸運に変える人に共通しているのは、気分転換がうまいということです。
起こってしまったことにクヨクヨしていても、未来は拓けません。
クヨクヨしないためには、「大声で泣く」「サンドバッ クに怒りをぶつける」「大声で叫ぶ」「体を動かす」「思い切り笑える映画を観る」などのほか、「過去に起こった幸運をじっくりと思い出す」というのも効果的だと言います。
ちょっとお金があるなら、小旅行などもいいかもしれません。幸運のチャンスが転がっているかもしれません。
■たった3つの言葉が人生を劇的に変えていく
ツキを呼び込む口癖で、最もシンプルな3つの言葉を唱えるのが、工学博士の五日市剛さんです。
五日市さんが唱える口癖は「ありがとう」「感謝してます」「ツイてる!」の3つ。これを日々口癖として使ってると、ツイている人生に変わっていくのだそうです。
「ありがとう」「感謝してます」「ツイてる!」はこれまでの話からも、運をもたらす言葉であることは分かります。
しかし五日市さんの唱える口癖は、使う場面に注意する必要があります。
「ありがとう」を、嫌なことに遭った時に使うのです。
文字通り「難が有った」時に、その難の連鎖を断ち切るために使うのが五日市さんの「ありがとう」という言葉なのです。
また「感謝します」という言葉は、いいことがあった時に素直に口にします。
またこの言葉は自分の願望を実現したい時にも使います。
たとえば、将来きれいな女性と結婚したいと思ったら「きれいな人と結婚できました。感謝します」と言うのです。
会社を100億円企業にしたいのであれば、「100億円企業になりました。感謝します」 と言うのです。
そうすると 不思議とその願望が実現すると言います。
「ツイてる!」は、どんな小さなことでも、「ツイてる!」と口にすることです。
これを繰り返していると、ツキがやってくると五日市さんは言います。
■怒ると運が逃げていく
実は、この3つの言葉は、五日市さんが学生時代に訪れたイスラエルで知り合った、老婦人に教えてもらったものだと言います。
当時日本の大学院の研究室で学んでいた五日市さんは、気に入らない人や、だらしない人に毒舌を吐く人でした。
当然人間関係はうまくいかず、孤立していたと言います。
そこで気分を変えようとイスラエルに旅立ったのですが、そこでも財布を落としたり、飛行機が遅延したり、宿が見つからなかったりとさんざんな目に遭ったのです。
その時、宿を提供してくれた老婦人が、五日市さんの話を聞いて教えてくれたのでした。
帰国後半信半疑で使いはじめると、状況は次第に好転。無事工学博士となり、卒業後は一流会社に就職。
さらにヘッドハンティングで億単位の事業資金が用意されて、事業も成功。また美しい奥さんと結婚できたそうです。
また五日市さんだけでなく、たくさんの周囲の人にもツキが回っていったと言います。
五日市さんも、前述した人と同様に言ってはいけない言葉を示しています。
それは汚い言葉です。
「バカヤロー」「ちくしょー」「ムカつく」というような言葉は、その言葉どおりの人生を歩んでしまうことになると言います。
また心のなかに不安を感じたら、「キャンセル、 キャンセル」と言って不安を打ち消すようにします。
もう1つ五日市さんが注意しているのは、「怒らないこと」。
それまで積み重ねてきたツキが吹き飛んでしまうからです。
どうしても怒りが湧いてきたら、代わりに深呼吸をするなど、代わることを探して実践するようにします。
ツキを呼ぶ口癖。
人生をも変えてしまう口癖。
信じるか信じないかはあなた次第、というところですが、口癖やふだんの行動をちょっとだけ変えるだけなので、実践してソンはないでしょう。
人生は口癖次第で確実に変えられるはずですから。
ただモノをつくっても売れない時代。単にスペックが良いから、目新しいからだけでは消費者は飛びつかない時代となりました。常にお客さまが何を求めていらっしゃるかを考え、その満足する製品やサービスを提供していく「顧客満足度」の高い企業が生き残れるといわれています。消費者や顧客の心理をしっかり捉えてはじめてモノが売れる時代なのです。
また、同じ規模・業界の企業でもモチベーションが低い企業と高い企業は、利益率に差が出ていることも分かっています。当然高い企業が利益率も高くなりますが、そのモチベーションをどうやって上げるべきかが分からないため、多くの経営者や管理職が悩んでいます。
心理学はコミュニケーションの領域でも大きな関心事となっています。コミュニケーション力は最近の企業アンケートでは、最も重視する能力の一つであり、これを活性化するためにさまざまな取り組みが行われているようです。
コミュニケーション力を高めていくには、当然人間の心理を解読できなければいけません。相手がどんな性格で、どんな考えを持っているかを見極めた上で、さまざまなコミュニケーションをとることが重要になりますが、その前にまず自分がどんな人間であるかを客観的に知る、すなわちメタ認知する必要があります。どんな性格でどんな考え方をし、いろいろな状況に対してどんな行動をとる人間なのかを知るのです。自分がどんな人間かを理解していないとコミュニケーションは活性化しません。
また、近年高まっているのはリスクに対する意識です。よく不祥事を起こした企業では、「分かっていたのに防ぐことができなかった」というような弁解をする企業トップがいます。頭で理解していながら対策を打てなかったというのは、人間心理を理解した行動マニュアルができていなかったか、できていてもいざというときの行動に結びつくまで訓練が行われていなかったということになります。起こってから「しまった」では済まないのが現代。
企業経営、市場分析と不可分の心理学。経営を持続し、生き抜くための経営心理のキホンを紐解きます。
]]>成立の背景には、会社の廃業率の高止まりや、国際化の進展、それに伴う事業の再編スピードへの対応など、内外の経済環境のさまざまな変化がありました。会社法の成立によって、成立前より、起業しやすくなり、企業買収のハードルが下げられるなどの環境整備が進みました。
たとえば従来株式会社設立に必要だった資本金は1000万円から、たったの1円に下がりました。また個人と企業が連携しやすいLLCという新しい経営組織も生まれています。
一方で粉飾決算などにも目を光らせられるように、企業会計制度を強化、会計参与という制度を導入しています。
ただたとえ起業のハードルが下がったり、会計制度が変わっても経営そのものの本質や目的が大きく変わるわけではありません。
きちんと利益を上げるための事業モデルを考えなければなりませんし、そのための資金の調達方法はどのようなものがあるのか、その調達先に説明する事業計画書はどのようなものなのか。社内でできることと外に任せることをどこで分けるべきなのか。社員に支払う給料に目安はあるのかなどなど。社長が知って、押さえておくべきポイントはいくつもあります。
社会環境や制度が大きく変化する時こそ経営者として基本姿勢、経営の目的が問われます。
国際化がどんどん進む、変化の激しいこの時代だからこそ、押さえておきたい「社長のキホン」を学びます。
]]>政府が打ち出す景気対策はその後の景気を左右します。しかし必ずしも期待通りの効果が上がるとは限りません。
景気対策が期待通りにならないのは、消費者の消費性向の変化の影響も挙げられます。当然の事ながら、いかに市場にお金を投入してもそれを「使おう」「使いたい」、つまり「何かを消費したい」と思わない限り、経済は回っていきません。
戦後の物不足の時代には、商品はつくれば売れていました。高度成長期には「消費は美徳」という言葉も流行りました。しかし時代が変わって、物が市場に行き渡ってくると、商品の魅力を磨き上げなければ売れなくなってしまいます。
一方、消費は世代によっても変わってきます。物がない時代に生まれた世代と物が溢れる時代に育った世代では、消費に対する考え方が違います。また時代だけでなく、どういう地域社会で育ったか、どういう教育を受けたかでも消費性向は変わります。
さらに日本は2006年から人口減少社会に入りました。黙っていると市場はどんどん小さくなっています。すでに日本ではデフレ状況が長く続き、雇用形態も多様化して、誰もが昔のように頑張れば収入が上がっていく時代ではなくなりました。収入が頭打ちとなるなか、定収入でも幸せに暮らす「プア充」という言葉も広がっています。
また必要以上に背伸びをしない「自分にあった程度」の消費をする「さとり世代」のスタイルも若い世代に広がっています。さらには買わずに「借りる」「レンタル」するスタイル、ものや場所を「シェアする」スタイルも広がっています。
人口減少、少子高齢化の日本の消費スタイル、ライフスタイルはどのように変化していくのでしょうか。21世紀の新しい消費スタイル=第四の消費スタイルについて考察してみます。
]]>「異なる文化、異なる価値観を持った人に対しても、きちんと自分の主張を伝えることができる。文化的な背景の違う人の意見も、その背景(コンテクスト)を理解し、時間をかけて説得・納得し、妥協点を見出すことができる」
まさにアサーティブなコミュケーション能力が求められているのです。
しかし日本企業のコミュニケーションの現状は、そうなってはいないようなのです。大学でコミュニケーション論を持つ平田さんは、企業の人事採用について、「自分たちが気がつかないうちに、もう1つの能力を学生たちに求めている」と指摘します。
それは「『上司の意図を察して機敏に行動する』『会議の空気を読んで反対意見は言わない』『輪を乱さない』といった従来型のコミュニケーション能力」です。
果たして日本のビジネスパーソンは従来型のコミュニケーションから抜け出し、アサーティブな環境を確立することができるのでしょうか。
日本人は外国人に比べ、交渉事が苦手だと言います。その場の空気を読んだり、余計な気を使ったりして、本来主張すべきところで意見を控えたりすることが多いようです。
これは短期的な関係より、長期的な関係を求める日本的なビジネス感覚がそうさせているのかもしれません。
しかし、いまや中小企業でも当たり前に海外と取引をする時代ですし、社員の国籍も多様化しています。また同じ日本企業の間でも世代や雇用形態、立場や価値観の違う人たちが働いています。そういった関係においても言うべきことはしっかり伝えられないとビジネス関係が維持できませんし、信頼関係を築くこともできません。
こうしたなか、最近話題となってるのが「アサーティブ」というコミュニケーションスキルです。これは交渉や商談などで相手との関係を損なわずに、うまく自分の主張を伝えていく方法です。
]]>売上「高」の数字でしょうか。利益「率」の数字でしょうか。
もちろん、今月の売上高がいくらで利益率がいくらだったということを知っていることは経営の基本です。それだけではなく、その利益を使って自分の会社で「いま使えるお金がどのくらいあるのか」ということも知っていなければなりません。
帳簿上では充分な利益が上がっているのに、「あるはずのお金が銀行に残っていない」というミステリーも起こることもあるからです。
また、たとえ経営の数字を把握しても、その数字の意味するところが分からず、肝心な時にお金を使えない、ということも招きかねません。
こうした時に使われる「数字」とは、財務の数字です。
中小企業の経営者には「財務はよく分からない、苦手だという人」が多いようです。しかし財務の数字が分からないと経営の分析ができませんし、事業の予測がつきません。
もし医者が引き継いだ患者の診断書が読めずに、病気の判断ができないまま薬剤師に処方箋を出したらどうなってしまうでしょうか。最悪その患者は死んでしまうでしょう。経営も同じことです。財務の数字の意味が分からなければ、適切な手を打てず、倒産することになりかねません。
また苦手意識から財務を担当者に任せっきりという人も少なくないようです。とくに後継系の経営者は先代からの担当者に任せきりとなる傾向があるようです。果たして経営の3大要素の1つである「カネ」の管理を全面的に任せていいのでしょうか。その人物がいかに清廉潔白で、忠誠心の高い方であっても、魔が差すということがないとは限りません。
一方で、「財務?ちゃんとやってるよ」という経営者もいます。しかし、よくよく聞いてみると、経理や会計と混同してるケースも多々あるようです。
いったい財務と会計は何が違うのでしょうか。経理と財務はどこが違うのでしょうか。
「大事だ、重要だ」と言われる財務。でも苦手意識の高い財務。忙しい中小企業経営者は財務についてどこまで押さえておくべきなのでしょうか。
いまどきの経営者が押さえておきたい財務の「勘どころ」を探ってみます。
]]>いずれも、実際に行って高収益を上げている企業です。
会社を経営していくためには、押さえなければならない基本的な知識や方法論があります。しかし、みんなと同じことをしていたのでは、自社の魅力はなかなか磨かれません。伸びる企業は、常識や王道からは考えられない経営方法で、業績を伸ばしたりします。
市場の変化は激しくなっています。かつて企業30年説がありましたが、いまやその説を信じる経営者はいないと思います。昨日まで当たり前だったことが突然変わってしまうことは、よくある時代です。
カメラがフィルムからデジタルに一気に変わったり、パソコンがタブレットに変わって、携帯がスマートフォンに変わり、それがメガネや腕時計に変わろうとしています。
時代の変化がどんどん激しくなればなるほど、従来どおりの組織やビジネスモデルでは、市場から追い出されてしまうでしょう。
日本企業だと思って入社したら、いつの間にか外資系企業になって、社内会議が英語になってしまったということも、もはや笑い話ではなくなりました。社内で使う言葉も英語ならまだしも、中国語やスペイン語、インドネシア語が中心となるかもしれません。これまで常識だ、合理的だ、効率的だと思っていたことが、必ず「正解」とはいかなくなってしまうでしょう。
こうした時代には、変化に応じた柔軟な発想が必要です。常識を疑い、不正解を解とする非常識・逆張りのマネジメントが求められています。
非常識・逆張り経営の成功者は、どのような判断で非常識・逆張りの発想を得て業績を上げたのか。具体的例とその着眼点をみていきます。
]]>経営の最新理論も気になりますが、その知識を活かすことができるのは、古典や名著などで経営の基礎となる考え方だけでなく、リーダーとして、人としてどうあるべきかという像を学び取ったからこそ。
たとえば、中国の兵法書「孫子」や経営学の泰斗ピーター・F・ドラッカーの「マネジメント」などは多くの経営者、組織人に影響を与えた本です。
2500年も前の紀元前5世紀中頃から4世紀にかけて著された孫子では、「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」と、戦いにおける重要性を伝えていますが、パソコンなどない時代にまるで現代のビッグデータ時代を予見するように書かれていることじたい、ただただ敬服してしまいます。
またドラッカーは、数年前に「もしドラ」の略称で話題となった「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」という小説の題材本として描かれていますが、影響力のある本は、その解説書や副読本などが多く出版されているのも特徴です。「もしドラ」は本だけでなく、映画やアニメにもなり、経営に関心がない層にも影響を与えています。
また優れた経営者やビジネスパーソンは、経営や組織論を語った本以外でも、小説や詩、書画などから多くを感じとって学んでいる人が多いようです。
なかでもよく読まれているのが司馬遼太郎、池波正太郎、藤沢周平の時代小説。司馬遼太郎は現代の竜馬ブームを作った人物であり、龍馬を理想とする現代の起業家や経営者も少なくありません。書家では相田みつをが人気があるようです。その独特の字体は観る人を惹きつけますが、その平易な言葉の奥に広がる人生の機微に魅了され人も多いようです。
名経営者は感度も高く、目に入るものや聞こえてくるものから吸収できてしまうのでしょう。
現代の経営者たちを惹きつけてやまない、古典や名著にはどのようなものがあるのでしょうか。またそこから、現代の経営者やビジネスマンは何を学べばいいのでしょうか。
今だからこそ読んでおきたい古典を探ってみます。
]]>実際名経営者と呼ばれる人たちは、そういった勘が働くようです。
たとえばトヨタの元会長の奥田碩さん。社長時代にプリウスを始めとするハイブリッドカーの開発を加速させる一方で、欧州市場の開拓のためにF1への参戦を決めて、業界関係者を驚かせます。周囲の人によれば、奥田さんは競馬もやる人でよく当てたそうです。独特の勘とセンスがあったからこそ販売台数世界トップを導いたのだと言えます。
ソニー創業者の井深大さんも勘の鋭い人でした。井深さんが亡くなった時、OBでノーベル賞物理学賞受賞者の江崎玲於奈さんは、弔辞で「未来を考え、見ることで、現在を明日を知るひとだった」とその独特の直感力と洞察力を称えています。
ソフトバンクの創業者孫正義さんも、勘の鋭い経営者でしょう。自己資本の数倍もの買収を大胆に仕掛けたり、度肝を抜くプランを打ち出したりするのは、常識や合理性だけでは捉えきれません。
サントリーホールディングスの社長、佐治信忠さんも勘を大切にする経営者の一人です。佐治さんは勘を、「普段の勉強とか経験から自分の中に蓄えてきたものだと思います。この勘をどう磨いていくか。どうすればいつも勘が冴えるかを考えること、それが経営者にとって重要じゃないですかね」と語っています。
こうした勘は天性のものなのでしょうか。大企業の成功者の話を出してしまうと、なおさらそう思えるかもしれません。しかし勘は鍛えることができます。鍛えることで、勘がしっかり身につき、働くようになります。
競馬の騎手やプロの棋士、プロ雀士など、いわゆる勝負師と言われる人たちは、勘を大切にしています。勘を鍛錬し、磨き上げるからこそ、トップに君臨し、圧倒的な勝率を収めています。
トップ勝負師たちは、勘の本質をどう捉え、どのように磨いているのでしょうか。
数字やデータに振り回される今だからこそ、「勘」を磨き、活かすことが必要です。時代を生き抜くための勘の正体と、その磨き方を勝負師たちに教わります。
]]>「多額の借金ができて一攫千金のために乗り込む」。あるいは「いろいろな過去を背負って乗り込む」などなど。
そして一旦乗り込んだら、狭い室内、数ヶ月に及ぶ長い航海。むくつけき男たちだけの、いざこざや怪我が絶えない世界が待ってる。
そんなマグロ漁船に、ひょんなことから乗るはめとなったあるバイオ系企業の研究員がいました。彼が見た世界は、およそそれまでの抱いていたマグロ漁船のイメージとは違っていたのです。
売上は決して一攫千金の世界とは程遠く、普通のサラリーマンのほうが給料は良さそうです。その一方仕事はやはりきつく、十数時間連続できつい肉体労働が続きます。電話もネットも通じません。風呂はわずか数分で、浴室にはドアもありません。良い漁場がわかると、近隣の漁船とも交信して漁場を教えてしまう…何より驚かされたのは、いざこざや刃傷沙汰が絶えない世界だろうと腹をくくっていたところ、みな楽しそうに働いていたことでした。
何から何まで予想と違って、何から何まで陸(おか)のビジネスとはかけ離れていたのです。しかしそこには陸にはない、不確定の要素が大きい海ならではのリーダーシップと、マネジメントの極意がありました。
マグロ漁船に乗り込んだその研究員は、その後会社に戻り、そこで船長に言われたことを少しずつ実行していったのです。するとそれまでにっちもさっちもいかなかった、仕事がうまく回りはじめたのです。
マグロ漁船に乗る直接のきっかけだった、製品開発の遅れを取り戻し、ギクシャクしていた上司や部下ともうまくコミュニケーションがとれるようになりました。無事開発した製品はヒット。そしてマグロ漁船で学んだ知識と経験をベースに、経営コンサルタントとして独立、引っ張りだこの人気講師となったのです。
彼、齊藤正明さんがマグロ漁船で学んだマネジメントのエッセンスとは。
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