Kaapi and Cultureはインドのコーヒー豆を日本へ届ける業務を行っています。今までインドのコーヒー豆はヨーロッパへ輸出されることが多く、日本への輸出は少量でした。Kaapi and Cultureはインドに存在する多くのユニークなコーヒー豆、特にスペシャルティグレードのコーヒー豆を、アジアの中でも感度の高い日本へ届けるべく業務を行っています。Yettuのブランド名で、カッピング会を国内各地で行っていて、インスタ等で告知しているので、ぜひ参加ください。
本日はKaapi and Cultureが取り扱ってるコーヒー豆がどのような精製工程を経て出来上がっているか、またロースターとしてこの精製工程にどのような関与ができるか、についてお話したいと思っています。ちなみにSCAJ2025ではVillageに出展して、それらの豆は当地でもオンラインでも購入することができます。
そして本日のスピーカーについて。タイムズクラブの糸井さんは世界的に有名な品評会であるカップオブエクセレンスにも多数参加している方。インドの農園についても生産指導を行っていています(糸井さんのお名前は別日に行われたACE/COEの講演でも紹介されるほど、業界では有名な方です)。
セシュクマール氏は当社のオーナー創業者です。
加えて、アショク氏、南インドでコーヒー生産を行っている農家です。残念ながらアショク氏は本日来れなかったため、ビデオレターでの登壇となります。
現在、インドのコーヒー農園では非常にイノベーティブな取り組みがされています。
まず私たちが取り組んだのは土壌の改良です。コーヒーノキを植えても適切な土壌で泣ければ生育不良となり、十分な結実へと繋がりません。そこで科学的に土壌を分析しました。対象となる土壌の構成成分を分析し、どのような微生物がいるのか調べ、それらがどのようなテロワールをもたらしているか文式。そして自然のたい肥等を活用しながら、適切な環境へと整えました。結果として、コーヒーチェリーはかつてに比べてより甘さを持つようになりました。
ちなみにこの完熟チェリーの選別についてはサタケのソーティングマシンを使っています。このマシンの正確性は非常に素晴らしいです。
多種多様な発酵プロセス
精製プロセスにおける発酵の役割は重要です。ここについては多くのことを他の分野から学ぶことができます。例えば、ウィスキー、ワイン、日本酒がそうです。適切な微生物を適切な量、適切なタイミングで活用することで仕上がりの味をコントロールできます。
Kaapi and Cultureが日本へ提供するコーヒー豆はこれらの事例を踏まえて科学的な発酵プロセスを取り入れています。写真は我々のラボのものですが、このような場所でモニターで微生物の数や活性状況等も管理しています。
太陽の日差しで徐々に乾燥させるドライプロセスも良いのですが、これだと予期せぬイベント、例えば予期せぬ豪雨や長期の日照り等で管理できないことが発生します。そのため、そのようなことがないよう可能な限り管理できる手法を取り入れるようにしています。屋根のある工場で、機械を使った乾燥をつかいます。これは時間的な節約もありますが、品質の向上に寄与します(時間は設定次第なので、必ずしもこの時間短縮が一時的な目的にはなっていないとのこと)。
化学的な取り組みを行うことのいくつかあるメリットの一つとして再現性があります。他の多くの生産者も様々な微生物を用いた精製工程に取り組んでいますが、我々のようにラボを保有して数値管理をしているコーヒー生産者少ないといえます。
これらの取り組みによって日々コーヒー豆の味は改善され続けており、近い将来、スペシャルティコーヒーで有名な国々と比肩するくらい品質の高いコーヒー豆が生産されると信じています。
湿度をはじめとした環境管理されたラボでは多くの取り組みがされています。ここでは顧客の要望に基づいたカルチャリング的なこともできますし、アナエロビック製法についても微生物の数・生育度を把握、コントロールができます(スライドは微生物の増殖について示したもの)。

ここで少しTimes Clubの糸井さんの紹介をします。糸井さんはBSCAの会長も務めたシルビオレーテアメリカのスペシャルティーコーヒーをけん引したジョージハウエル等に師事し、自身も世界的な品評会であるカップオブエクセレンス(Cup of Excellence:COE)に多く参加し、現在は運営組織であるアライアンスフォーコーヒーエクセレンス(Alliance for Coffee Excellence:ACE)の理事でもあります。
また糸井さんは2024年にインドの農園を訪れ、伝統的なナチュラル製法の精製プロセスについてもアドバイスをしてくれています。それらのアドバイスは当地で活かされ、より精製工程を洗練したものへとしてくれました。
インドのコーヒー豆としてかつて有名だったのはモンスーンコーヒー。これはコーヒー豆を乾燥・保管する際にモンスーン(季節風)にさらされ、結果としてコーヒー豆が黄金色になり、そのストーリーとともに愛飲する人がいます。ただし、クォリティ的にはカビが入ったり、劣化したりすることが多く、その味をモンスーンととらえることもあり、必ずしも良いものとは言えませんでした。
現在、インドはこれらについてだいぶ改善されるとともに、国内のスペシャルティコーヒーの流通もここ4~5年で飛躍的に発展しました。
農園も同様に発展しています。シェードツリーを用いたオーガニック農園も数多くあります。また、印象的だったのはインドへ訪れた際に非常にオレンジがかったブルボンと出会い、コーヒーとして飲むと桃のような甘さを持っていたことです。
これらはきちんと区画分けされるようになり、今ではトレーサビリティも担保されています。現時点でカップオブエクセレンスのような品評会にかけられるレベルかというと必ずしもそうでないかもしれませんが、その芽は確実にあると思えます。一方でコーヒーの品質は農園によってばらばらなため、取引する農園は注意する必要があるといえます。農園によってはファームツアーも行われますので、それらに参加するのも良いといえます。
インドのコーヒーは豆質的にも農園の運営面もまだまだ向上できる余地があると思います。昨今ではフェアトレードの基準も厳しくなってきていますが、インド国内においても、これらに対する意識も高まり、児童労働等も是正されています。
今回Kaapi and Cultureから紹介があった新しい取り組みについても一緒に行い、経験があります。彼らは柔軟に対応してくれますが、私たちも尺度を以てオーダーをする必要があります。彼らと共同でフレーバーづくりをする際には実際のフルーツ等を用いて会話すると良いと思います。インドにあるミカンと日本にあるミカンではそもそもフレーバーが違います。梅もそうでしょう。だから、共通見解を得るべく、丁寧にフレーバーづくりをしないといつまでたっても求めるフレーバーは作れません。そういうことに注意してお願いすると良いと思います。小ロット、基本的には30㎞程度からだと思います。もし体験談に興味があったら連絡をください。回答したいと思います(当日はアドレスの紹介がありましたが、ここでは省略させていただきます)。
また、その他のことでも生産地のことを聞きたい場合、ブース等でみかけたら気軽にお声がけ頂ければと思っています。
店頭では多くの魅力的なコーヒー豆に出会えるようになりました。また品質もかつてに比べて一定レベルを超えているものも多くなった気がします(昔はあたりもありましたが、ハズレも多くありました)。その中で、店舗間の差別化は大きな課題だと思います。そういう意味では精製プロセスに関与できるKaapi and Cultureの提案は多くのロースターにとって魅力的だと思います。
もちろん、ベースとしてのコーヒー豆のポテンシャルや精製プロセスに対する主義というのはあるかもしれませんが、うまくはまれば多店舗との差別化ができ、お店のオリジナルストーリーを持った商品として消費者へ届けることができます。
もし身近にKaapi and Culture、もしくはYettuがカッピング会を開催していたら参加して、これらについてヒアリングしてみてはいかがでしょう?行き詰まりを打開する一手になるかもしれないし、そうでなくても興味深い話をきけるかもしれません。
ということで以下に参考サイトを掲載しておきます。
Kaapi and Culture (HP、Instagram)
ちなみに糸井さんご自身も後進の育成にはサポーティブなコメントをされていて、もしイベントでお会いできるようだったら、直接聞いてみるのも良いかもしれません。第三者的な一歩引いたところからアドバイスをもらえるかもしれません。
当サイトではコーヒーロースターのお役に立ちそうな情報ついて今後も発信していきたいと考えています。引き続きよろしくお願いします。
]]>セミナーは在京大使館のスピーチから始まりました。
SCAJには国の代表である大使館関係者が結構来場されます。それだけ国の基幹産業としてSCAJでのプロモーションを大切に思っているんでしょう。今回も在京大使館からEdna Dioniz Chuku参事官によるご挨拶がありました。
(Eduna Dioniz Chuku参事官)
4年前のSCAJで初めてタンザニアコーヒーセミナーカッピングを行い、それ以来継続的に実施してます。毎回多く参加者に恵まれ、嬉しく思っています。
タンザニアは有名な鉱物「タンザナイト」が産出される国です。また、多くの観光者が訪れます。
そしてコーヒーの生産地としても有名です。コーヒー生産にとって望ましい気候と肥沃な大地、そして農家の献身的な努力によって柑橘やベリー、スパイスなどの風味が楽しめ、それらが高度に調和されているのがタンザニア・コーヒーの特徴です。
今後もタンザニアと日本との交流がこのコーヒーをきっかけに深まることを期待しています。

キリマンジャロや国立公園等の多くの観光名所がタンザニアにはあります。また、先ほど紹介があった「タンザナイト」をはじめ、多くの鉱物もとれます。
その多くの資源のうちコーヒー(タンザニアの農業GDPのうち約24%、2023/24のコーヒー収益は約2.5億USD)も重要な産品です。
インド洋のブルボン島(現在のレユニオン島)から、キリスト教イエズス会の宣教師(カトリックミッショナリー)によってもたらされました。また、ロブスタについては原産国の一つとして生産が行われています。アラビカは標高1000-2000m、ロブスタは標高800-900mの地域で栽培されています。
これらはダルエスサラーム港を中心に輸出されます。
小規模農家による生産90%を占め、フルウォッシュ/ナチュラル、いずれかの伝統的製法によるプロセッシングを行っています。
キゴマ等の北部を中心に3つの地域(16自治体)で生産されています。タンザニアはアフリカで第3位の生産国で、最大40万世帯(約240万人=人口の約6%)がコーヒー産業に関与しています。耕作面積は22万haで、アラビカとロブスタの生産量の割合は6:4です。年間では80-120万袋の生豆が生産されています。そのうち、34%が日本向けに輸出されています。
75%がいわゆる一般流通商品(コモデティ)で、25%がフェアトレードやオーガニック等の高付加価値なコーヒーとなっています。

タンザニアの国土の多くは火山性土壌で、標高も高いため、生産されるコーヒーも甘くフルーティーで、ベリー等のニュアンスがあります。そしてそれらの特徴がよいバランスを有しています。
調達方法は二つあります。
毎週木曜日に行われるオンラインオークションライセンスを持つ輸出業者から買う方法、そして農園等からの直接購入です。
私が所属するタンザニアコーヒーボードはこのコーヒー品質を担保すべく、AA、A等の格付や品質基準の策定を行っています。タンザニアコーヒーボードとしては今後もタンザニアのコーヒーが世界の消費者に届くよう努力を続けていきます。今後もタンザニアコーヒーに期待して頂ければと思います。
本日はタンザニアのコーヒーをいくつか持ってきているので楽しんでください(多くの参加者がカップクオリティを確認しながら、安定感のあるタンザニアコーヒーを楽しんでいました)。
タンザニアでの事業紹介ということでOSTI GLOBALのタンザニア事業「TANJA」の紹介がありました。以下はOSTI GLOBAL、セールスマーケティングマネージャ白鳥さんからの説明です。
同社はタンザニアのンゴロンゴロ自然保護区に隣接する約1,760ha(千代田区の1.6倍の大きさ)の農園を引継ぎ、現在は2700ha、235tを超える生産となっています。また、日本人スタッフ3~4人で500人のローカルスタッフを抱えるほどです。
OSTIが持つ農園はバークフリーテン農園、シャー農園、そしてティンガティンガ農園ですが、引き継いだ際には農園管理がよくなく、肥料も使われていませんでした。そのため、これらの農園の伸びしろはまだまだあると考えています。実際、収穫量は84t→196t→235tと順調に推移しています。
一方で他にも多くの課題を抱えていました。道路のインフラ整備を行った結果、30分かかっていた時間が5分へ短縮したり、セキュリティが整備されず、コーヒー豆や農具等の盗難もありましたが、これも管理を推し進めることによって少なくなっています。他にも太陽光パネルの導入、農業用水のためのダム建設等も行っています。その結果、当初267名だったスタッフが500名程度まで増えているのです。このスタッフも当初は雇用形態も不透明でしたが、当社が関与することできちんとしたものにできました。
今後も現地に雇用機会を提供し、持続的な成長の支援を行っていきたいと思っています。
タンザニアのコーヒーへの取り組みが良くわかるセミナーでした。良くも悪くも伝統的な製法が中心で、そういう意味では安心感をもって聞くことができました。また、政府や事業主体の熱意が感じられ、今後のタンザニアのコーヒー産業の発展も感じられました。
個人的に驚いたのは日本人が現地に根差した形で事業を形作っている「TANJA」の紹介でした。
もしタンザニアと取引したい場合はTANJAの例に学ぶことは非常に多いと思います。ネット上でもOSTIやTANJAの記事は多くあるので、自社(自身も含む)の現地事業展開を考えるなら、ネットで勉強しつつ、関係者にヒアリングしてみるのも一つだと思います。
もちろん現地展開は多くの困難が待ち構えているでしょうが、彼らのプレゼンテーションを聞いていると気持ちが前向きなものになりました。
このサイトではTANJAのような前向きな取り組みについて引き続き丁寧に取材し、発信していきたいと思います。
]]>当日の雰囲気も感じてもらうために本文はスピーカーの文章をそのまま書き起こしました。会場の雰囲気が読者の皆様に届けば嬉しく思います。
私たちは1960年に民間資金によって設立されたコーヒー協会 ANACAFEを代表してSCAJ2025に来日しています。ANACAFEのミッションは主に次の4つです。
これらを通じて国内のコーヒー生産者の利益を最大化に尽力しています。ただし、私たちはコーヒーの輸出や買い付けを行っている機関ではないことを認識ください。
グアテマラには12万5千のコーヒー生産農家が存在します。そしてコーヒー耕作地が37.6万haあります。行政区で表すと261/340の地域で栽培され、国土の3.5%でコーヒー生産が行われていることになります。コーヒー産業は国内で最大50万の雇用を生み、生産者組織の実に41%は女性で構成されています。
そして、2018年には国の無形文化遺産として登録されるまでになりました。
200qq(9072kg(1qq=100ポンド≒43kg))のパーチメントしか生産していない小規模農家が全体の96.81%を占めています。一方で小規模農家は生産量割合にすると44%しか占めていません。
私たちは小規模農家に対しては共同体(COOP)等を作ってもらい、輸出業者等から買いたたかれないようサポートしています。そして、このことによって公平な競争が実現できるよな環境も作り出しています。
2025年6月までの数値では、国の輸出農作物の中で1位、12.1%を占めています。グアテマラ経済にとってコーヒーは最大の外貨獲得手段となっています。アメリカが最大の輸出先で52%、次いでヨーロッパが25%、日本(10%)を含むアジアが20%を占めています。
日本のマーケットを少し分析すると興味深いことがわかります。輸出対象となっているコーヒー豆のほとんどがSHB(strictly hard beans、最高格付けの豆)です。そのため、日本が高品質なコーヒー豆を重視していることがわかります。2024/25は収穫期があと数日で終わることから、日本への輸出量は前年並みとなりそうです。ただ、全体の傾向としては減少傾向にあります(輸入量は10年前の約半分程度)
少し見方を変えて、金額ベース(米ドル)となると多少のばらつきがあります。本来は金額と輸入量は相関する傾向にありますが、為替の影響もあり、今年は去年から大幅に増えています。
いずれにせよ日本の輸出量の減少についてはANACAFEとしても分析している最中です。
グアテマラコーヒー生産が将来にわたって成長し続けるために、ANACAFEは戦略的なイニシアチブを二つのことを通して行っています。
1つ目は戦略的なイニシアチブとしてアラビカ/ロブスタ種の生産性向上を推し進めています。2つ目にデジタルツールを開発し、生産者へ導入を促しています。
戦略的なイニシアチブは社会、経済、環境、すべての面で改善をしなければならないと考えています。つまり価格変動によらない力強い生産体制を作ることを意味します。
これを実現するために経るべきステップが3つあります。
まず農家の経済面を向上(回復)をサポートします(第1ステップ)。その後、農園や土地のリノベーションを行います(第2ステップ)。最終的には長期的な改革や技術革新の導入(第3ステップ)となります。そして、並行して生産者の方々に農家のマインドから起業家のマインドへと意識改革も行います。
ANACAFEはこれらをサポートするプログラムを農家向けに紹介しています。ただし、このプログラムに参画するにあたっては5つの項目について順守するよう要求しています。
それは種苗等の管理計画、精緻な肥料計画、病害虫に対する予防等管理の徹底、土壌や周辺植物等の周辺管理、そしてシェードツリー等の環境整備等です。
各段階で農学的なアプローチを行い、全体最適へと落とし込むことになりますが、例えば高い生産効率のアラビカコーヒーシステムでは灌漑整備も重要となります。
そして、その前提となるのは適切な栽培品種であり、きちんと管理された種苗となります。それらの厳格な管理をされた品種にしか真に適切な灌漑システムは構築することができません(栽培品種によって最適な水量や肥料は異なるため)。一方、適切な灌漑システムを導入できれば、収穫のタイミングがコントロールできるだけなく、植え替えやカットバックのタイミングも管理できます。もちろん、土壌管理や一部機械化もでき、より高度な農園デザインを構築できます。
ちなみにこのプランでは0-6か月でよい根のはりつきや葉っぱの広がりを管理し、7-18か月目で根を生育とともに木が適切な形で育っているかを確認、その後収穫のピークを意識しながらライフサイクルを回していくことになります。
ESTIMAというアプリは上に述べたコーヒーの生産管理を助けるツールの一つです。農園の基礎的なデータを打ち込めば、最適な肥料や殺虫剤の量を導き出して、どの程度の管理費が発生するかを知ることができます。かつては、区画当たりにどの程度の肥料を投入してよいか判断できず、過不足が発生するだけでなく、結果として過去には赤字になってしまうこともありました。
これを使えば、その年のInput、つまり収支管理を適切に把握し、見える化がい実現できるようになります。これは先の第1ステップへと繋がります。つまり、生産者が現況を把握することによって第1ステップである経済的な回復が実現できるのです。
一方、PROYECTAというツールは開花等の情報を入力することで収穫量が予想できます。つまりOutputがわかり、売上から逆算することで投入できる管理費予算を導き出せるようになります。
入力するデータは生育している木の数、生産可能な枝木情報数と量等の基礎データや開花のタイミングとなります。これらを入力すれば、売上が判明します。
本日、会場で試飲してもらっているコーヒーはこれらの項目を複数年コミットしつつ、生産したコーヒー農園のものです。El Vergelは2年、La Pilaは3年、この枠組みで生産しています。いずれも甘く、クリーンな味わいを楽しめると思います。これらのプログラムに参加した成果といえるでしょう。
そして、消費国のみなさまにはCOFFEE SEARCH SYSTEMを紹介したいと思います。これはコーヒー生産者と消費者を結びつけ、お互いの交流を促進するものです。今までは仲介者を通してしか、交流はなかったかもしれませんが、これで直接交流できることができます。このツールを介してコーヒー豆の売買を行う等はできませんが、このツールがファンコミュニティとなり、さらなる2国間の交流の礎となればと思っています。
私たちは今後も品質の高いグアテマラコーヒーを日本へ届けたいと考えています。
毎年、グアテマラコーヒーのセミナーには魅せられます。最新情報を組み込みながら、消費国でのファン作りのプロモーションもちゃっかりやるのはうまいなと思います。今回プロモーションされたアプリは今後もアップデートを繰り返し、消費国ニーズがより反映されるようになるそうです。そこには自分のニーズ等も反映されるかもしれません。そのため、このタイミングでDLしてみるのも面白いかもしれません。
私自身もこのアプリに限らず、ANACAFE等が取り組んでいるグアテマラコーヒーの技術革新についてフォローして情報発信に努めたいと思います。
]]>スピーカーはCoffee Quality Institute認定Qインストラクター(セミナー当時の肩書。現在は鑑定士資格の認定についてはSCAに移管され、林さんも認定Qインストラクターとなっています)で、台湾コーヒー研究所創業者の林哲豪さんです。去年もそうでしたが、参加者を楽しませようという気持ちは多くのスピーカノー中でも随一でした。
そんな林さんのセミナーは去年同様台湾のちょっとした紹介から始まります。以降は林さんのプレゼンテーションをご自身の発言形式でまとめていますのでそのつもりで読んでみてください。なお、当日は台湾在住で、”いつか珈琲屋 台湾焙煎所“の近藤さんが英‐日の通訳を務めていらっしゃいました。
台湾は日本の与那国島から110kmしか離れていない距離にあって、台湾と日本の自治体で就航されていない地方路線を探すのが難しいほど、多くの交流がなされています。羽田からは50路線、新千歳からも30路線があって、桃園への31路線とそん色なく、ほぼ国内へ行くような感覚だといえます。
日本と私の関係も歴史があります。祖父は日本が統治していた時代に日本の教育を受けていました。同化政策の結果、梅村要二(本名呉耀村)という和名を持っていました。祖父が通った当時の台湾大学は”台湾帝国大学”と呼ばれ、日本の国立大学の中でも最大規模の施設を持っていました。ともすれば、台湾大学出身の私自身もある意味”旧帝大”卒なのかもしれません。
当時の日本の新聞社が決めた、台湾八景なるものもありました。新高山(今玉山)は台湾で最も高い山です。亜里山はお茶で有名ですが、コーヒーの産地でもあります。日月譚は今日の通訳を務められている近藤さんが住んでいるところでもあります。タロコも良いコーヒーの産地となっています。
日本の影響はもともとあった台湾の茶文化にも影響を与えました。ポスターには当時の日本の流行が取り入れられました。また、当時は三井物産が単なる農園の所有だけでなく、積極的に投資し、新しい機械等の技術を導入していました。そもそも台湾には昔から茶文化があり、厳格な品質管理もなされていました。
私たち、台湾人がカッピングをして、コーヒーの味を判断できるのは脈々と受け継がれた茶の文化があったからかもしれません。
鹿児島台湾は非常に九州と似ているといわれます。台湾は2300万人、九州には1600万人が住んでいます。またサイズも似ていて、大きな都市、台北・福岡があり、南やはり鹿児島・高雄があります。西側を中心に発展していて、この地域に新幹線が通っているのも同じです。
台湾のカフェ文化は非常に発達しています。コーヒーショップ等の飲料店は28千店あって、これに加えて13.7千店のコンビニがあって飲料サービスで競い合っています。自家焙煎店も多く、その数は5000を超えます。密度的には世界一だといえるでしょう。また、コーヒー豆の国際鑑定士核であるQアラビカグレーダーの数も非常に多く、670人を超えています。ドリンクの価格は日本と同じかそれ以上で販売されていますが、コーヒー豆は日本の販売価格より低く取引されています。
台湾はコーヒー生産のサードウェイブ真っただ中にいるといえます。日本統治時代は日本向けに輸出されました。しかし、戦後、日本のマーケットは喪失したため、一時期はUSAID等の援助もあって生産量は増えましたが、台湾経済の急激な成長の中で、生産効率や価格的な問題があり、その後コーヒー生産は減少していきました。そして現在スペシャルティコーヒームーブメントの中でかつて盛んだったコーヒー生産に再注目されるようになり、新しい世代の農家がコーヒー生産が始まりました。また、以前発生した大きな地震(921大地震)を契機に政府農務省も農家を積極的にバックアップするようになりました。
台湾コーヒーの中で4つのエリアを中心に私自身は関与しています。南投(ナントウ)県は南北にポテンシャルがあるエリアです。阿里山を有する嘉義(ジャーイー)県と、その南北にある台南県と雲林県にある農園を中心にサポートしています。
かつては伝統的な水洗式が主流の精製方法でしたが、いまは多岐にわたっています。実験的な製法やアナエロビック製法を取り入れたものも好まれています。ナチュラルやハニープロセスも手間も発酵が上手くいかない等のリスクはありますが、台湾の消費者には好まれています。一方でフレーバーコーヒーはスペシャルティコーヒーとは認識されず、人気はありません。
そして、現在大きなムーブメントは4つの地域から起こっています。一つ目は大阿里山地区。高品質なコーヒーを生産しています。中でも鄒築園(ゾウジョウエン)のオーナーである方政倫さんはコーヒー農家として初めて「十大神農」の称号を獲得した方です(会場にもいらっしゃいました)。品種改良にも熱心で、またデジタルツールの導入も積極的に行って常に品質を改善しようとしています。
近年この周辺で開墾を進めようとしたら、ララウヤ農業講習所と記された石碑がでてきました。この地はもともとゾゾ族が居住していた地域でこの地域で農業実験棟を行っていたとのこと。90年後に発見してコーヒー生産を再開するというのは感慨深いものがあります。
卓武山(ジャオウーシャン)農園は接ぎ木に関する卓越した技術を持ち、安定的なコーヒー生産を行っています(SCAJ2025にはブース出展もしていました)。
青葉(チンイェ)農園は嘉義県のコーヒー協会理事長でもあり、製茶機械を用いてコーヒーを加工するなど、革新的な取り組みを行っています。
花東及び海岸山脈区等は交通アクセスが必ずしも良くありませんが、同様にユニークなフレーバーが確認できます。
泥妲農園は廃校となった小学校を活用しながら、コーヒー教育や品質管理をしたりしています。また、花蓮県品評会でも複数回優勝しています。
日月潭及び中央山脈区は日本の統治時代から生産されていた地域で、それこそ北海道の試験林情があった地域でもあります。昼夜の寒暖差があり、それがコーヒーの甘味を生み、ユニークなプロファイルへと繋がっています。
これらのまっぷについては林さんがgoogle mapにまとめていますので気になった方はチェックしてみてください(リンク)
このように多くのコーヒー農園が台湾にはあります。昨年と今年、ORIOWLとHISは共同でコーヒーシーンに焦点を当ててツアーを実施してきました。2024年は日帰りで企画しましたが、さすがに駆け足になってしまったので2025年(今年)から1泊2日の企画にして実施し、盛況でした。来年も実施予定なので、興味のある方はぜひ参加してみてください(楽天トラベル経由、HIS経由)。
SCAはコーヒー豆の評価方法を最近更新しました。かつては生豆の欠点等の情報と官能評価だけでしたが、それ以外の情報も取り入れるようになりました。RPGのステータス画面でいえば、それらすべてを含める形で評価するというものです。
今日、お持ちしたコーヒーについては以下のような情報が付随します。一瞥すればわかりますが、多くの情報があります。それだけストーリーがあるということです。今日は時間の関係で説明しきれませんが、興味を持った方はSCAのサイト等をご覧になってください。
文化的な多様性を備えた台湾コーヒーを個人的には好きだし、応援していきたいと思っています。その前提として、彼らが作るコーヒーが年々良くなっていることがあります。2025年のCOEでは複数の90点越えのコーヒー豆がでてきました。実際、飲んでみると数年前のものとは全く異なるフレーバーを感じることができます。
今回、試飲できたカップ、3つのうち2つはゲイシャ系。もう一つはゲイシャと現地で品種改良されたソッンナ。この品種は非常に興味深かったです。個人的にはゲイシャの複雑なジャスミンのようなフレーバーに、ブルボンに感じられるようなボディが加わった感覚でした。それがこの農園特有のものなのか、品種特性なのかはつかめなかったので、次回どっかで出会ったら試してみたいと思いました。
そういう新たなムーブメントも含めて台湾コーヒーに対する興味が個人的にはつきません。
だからこそ、今後もフォローしてみたいと思います。機会があったら、今回紹介されていたツアーにも参加したいとひそかに思っていたりします。。。日程合うかな・・・。
]]>最初のスピーカーのゴンサロ・カスティーヨ(Gonzalo Castillo)(左)氏は農園主で、40年間農園経営を行っています。彼のご子息は医者となり、同様に農園を持ち、美しいニカラグアコーヒーを世界に届けることに奮闘しています。
そして、後半のスピーカーのエドワルド・エスコバー(Jose Eduardo Escobar Garcia)(右)氏はニカラグア政府と民間を仲介するCONTRACDECを代表して来日しました。以下はそんな両氏がSCAJ2025期間中に行ったセミナーの内容を書き起こし、まとめたものです。ライブ感をもって読んでいただければ幸いです。とても情熱がこもったセミナーでした。
(ゴンサロ氏)
本日は火山の国ニカラグアからコーヒーを紹介する機会を頂き、関係者には感謝しています。ニカラグアには220年以上のコーヒー生産の歴史があります。一般的なニカラグアの農園では機械での採取は行われず、ハンドピックが行われ、多くの愛情が注がれています。
そのため、誰にでもコーヒー豆を販売したいわけではありません。日本には私の農園から調達するバイヤーもいますが、その方々とは家族ぐるみの付き合いをしています。彼らが農園を訪れると家族で迎えますし、彼らからは私のことを”おじさん”と呼んでもらっています。そういう間柄だからこそ愛情を注いだコーヒーを安心して届けることができるのです。
今日、ここに来られた人、来られなかった友人も、そういう気持ちで引き続き私たちと接してほしく思います。
(エドワルド氏に交代)
日本とニカラグアの交流は今年90年を迎えました。これを契機にニカラグアでは法律で2月20日を日本の日と制定、祝福しました。ニカラグアは中米に位置し、北にホンジュラス、南にコスタリカがあります。約700万人の人口を有し、農業が中心の国で27の火山があり、そのため豊かな土壌を有します。
私たちは「火」と「文化」と、そして先ほどゴンサロ氏が話したとおり、「家族」を大切にする国です。そしてコーヒーはニカラグアに対して古くから経済的に貢献してきた作物です。コーヒーは経済成長を支えるだけでなく、人間も支えています。そのため、コーヒー産業が成長するよう政府も多くの支援を行っています。トレーニングや貿易促進はもちろん、コーヒー農家も支えているのです。インフラや製品だけでなく、従事している人を何よりも大切にします。そして人々に世界的に有名な(エクアドル出身の)ボクサーであるローマン・ゴンザレス氏のようになってほしいと願っています。
世界的にはニカラグア世界の2%弱程度のコーヒー生産を支えています。その内訳はアラビカ98%、カネフォラ(ロブスタ)2%です。国内には51000のコーヒー農家(45万人がコーヒー産業に従事)がおり、16万8千haのコーヒー耕作地、そして年間16万t以上のコーヒーを生産し、56の国々へ輸出しています。
98%のコーヒーは森林で栽培され、環境に配慮されています。多くのコーヒーは海抜800m-1700mで栽培され(800m-1100mが60%、1100m-が20%を占める)、ゲイシャ種を含む40種以上の栽培品種で構成されています。
品質向上に際して、農家も通いやすいような場所にスクールを設置し、イノベーションについてCoffee Quality Institute(CQI)とともに研究をしています。また、コーヒーを鑑定できるQグレーダーの育成についても積極的に支援していて、かつて48人だった資格保持者を60人まで増やしています。重要なのは高品質なものをきちんと届けたいということ。
ニカラグアコーヒーの生産地には特筆すべき特徴があります。マタカルパ産のものは甘くてジャスミンのよう、ヒノテガ(フログテガ)のものはジャスミン、バラ、チョコレート、ワイン、クリーンです。そして、ヌエバ・セゴビアでは青りんご、もも、明るい酸、チョコレートを感じられます。
ニカラグア政府は何度も言うように非常にコーヒー農家を大事にした政策をうちだしています。トレーサビリティはもちろん、焙煎技術の指導もしています。そして、フェアトレード等の付加価値商品にも取り組んでいます。
また、オーガニック農法も取り組んでいます。多くの肥料を投入することもできますが、土壌へ負荷をかけることは将来世代にとって持続可能な農法と考えていないからです。
さらに持続可能性の観点では、遺伝子研究や品種改良を行うことで温暖化対策や病害虫対策を急いでいます。もちろん、病害虫耐性のある強い木が育てばそれだけ殺虫剤の散布を減らせますし、土壌への負荷も減ります。そして冒頭にも話しましたが、ニカラグアのコーヒー栽培はもともと森林で行われています。殺虫剤の散布は森の保全にも悪影響なり変えないので散布したくないものでもあるのです。
これらを踏まえた大会として”The Best of Maragos”というものがあります。これはMaragogype、Maracaturra、Pacamaraという耐性品種だけが出品できるもので、この中で味を競うものとなります。優勝したものは当然注目を集めることとなります。
こうしたプロモーションを行うことで販路を整えています。そして何より重要なのは販売価格です。一定の価格で売れなければ農家は持続可能ではないのです。
日本はニカラグアで開催されたCOEで一番の顧客となっています。これからもこの関係が長期的に続くことをニカラグアは望んでいます。
(会場の質問を踏まえ)欧州森林破壊防止規則(EUDR)については非常に難しい問題ととらえています。ニカラグア産コーヒーの3割程度がヨーロッパ向けです。そのため対策は進めています。GPSを使い、コーヒー生産によって森林伐採の影響がないことを追う耐性を構築しつつあります。しかしながら、このコストは誰が払うのか、私たちは不安を抱いています。生産国政府なのでしょうか、農家でしょうか。本来は政策を打ち出した国々であるはずなのに、価格への転嫁は非常に難しいのが現状だと考えています。いずれにせよ、私たちの状況をよく理解してほしいと思っています。
会場ではゴンサロ氏の農園で育てられたコーヒーが振舞われていました。いずれも上で書かれていたような上品でフローラルな香りときれいなシトラス系酸を持ったコーヒーで、彼らがどれだけ愛情をもって育てたのかが伝わってきました。
ゴンサロ氏が冒頭信頼を置ける人とコーヒー豆を取引したいというのは切実でした。それは、最後にも話された物価高騰の中でさらなるコスト負担となるような規制が発生したとき、誰が苦しみをわけあってくれるのか、という問題につながると思います。
バイヤーやロースターが、それは政府の仕事だと割り切ることは簡単かもしれません。また、できることは限りなく少ないかもしれません。資金的な支援や技術的な支援ができればよいでしょうが、そんな余裕は持っていない人がほとんどです。
一方で、コーヒーの供給量が足りていない中、生豆バイヤーに転嫁すればいいではないか、とおもうかもしれません。ただ、他の生産者、もしくは生産国との競争があってなかなかうまくいかないのも実情だと思います。その中で声をかけ、理解しようとする、そして何か行動をしてくれる人を生産者は大切にすると思います。
ロースターの中にはパートナーシップ契約を締結して、長期的に相互成長できるように体制を整える人もいます。そういう中で信頼が生まれ、「おじさん」、「息子」と呼び合える仲になれたら素敵だなと思ったりします。そういうストーリーを私自身もいつか取材してみたいと思ったりもしています。少し長期的なことになるかもしれませんが、そういう発信を心掛けて、今後もレポートしたいと思います!
]]>まずはコロンビアの地理的特徴について。コロンビアは熱帯収束帯(Intertropical convergence zone (ITCZ))に位置して、暖かい風の流れが南北へ少しずれる中で、若干の気候の移り変わりが発生します。ただし、基本的には安定した気候の地域です。この熱帯収束帯の帯の上下したタイミングでコーヒーの花が開花し、後に果実をつけることとなります。
この気候特性のせいでコロンビアには大きく分けると3つのコーヒー産地が存在します。
カウカ・ウィラ・ナリーニャ等の南部地域(資料では青色)、この辺りは年初に雨季を迎え、年の前半に収穫期を迎えます。
セサール・サンタンデール・シエラネバダ等の北部地域(資料では緑色)、この辺りは年の後半に雨季を迎え、収穫期もそれ以降の時期となります。
そして、この間に位置する中部地域(資料では赤色)では、収穫が年に2回あります。
この気候特性のメリットは年中、国のどこかで新豆と出会えることにあります。一方、デメリットとしては湿度が高く、病害虫への対応が必要となること、そして収穫期が分散するため収穫にかかるコストが高くなりがちということ。
加えて、コロンビアコーヒーのもう一つの特徴として比較的高地で栽培が行われていることが挙げられます。1500m~2000mに61.3%の生産が集中し、次いで1000m~1500mに34%を占めています(合計で約95%)。これはコロンビアが赤道近くに位置して生産適地が1600m近くという背景とも関係します。一方で高地に栽培地が集中する結果、気候変動の影響が土砂崩れ等を通じて受けやすい環境ともいえます。
なお、コロンビア全体としては835千haの耕作地を持ち、ha当たりの20.21 60kg/bagsの生産量を有しています。かつては1000千haを誇っていたので、当時と比べると減少しています。
グラフは1956年以降のコロンビアの生産量についてまとめたもの。1960~70年代にかけてはティピカやブルボン等の伝統的な栽培品種が中心でした。当時の生産量は7百万 60kg-bags程度。やがて1980年ごろにカツーラが導入されると生産量が飛躍的に伸びました。2008~2010年ごろに大きな減少が記録されているのはラニーニャのせい。この時の農園は古木が多かったり、肥料が十分ではなかった結果、大きなダメージを受けました。直近もラニーニャが発生しましたが、その後、政府の支援のもとコーヒーノキの入れ替えや十分な肥料を与えた結果、今回は8%の生産量減少で済んでいます。結果として直近の年間平均収穫量は13.5百万 60kg-bagsとなっています。
コロンビアの品種別割合はカスティージョが最も多く61%を占め、次いで1982年に導入されたコロンビア種が23%、10年前に導入されたCenicafe1が4%、カツーラが7%、ティピカが1%、ゲシャやSL等を含むその他品種が4%程度。
世界全体のコーヒー需要は伸びています。そして、今後20百万60kg bagsの不足が生じると予想されてます。コロンビアはブラジル、ベトナムに次ぐ生産国として1ha当たりの生産量を増やす必要があると考えています。コロンビアは先物市場で取引されているマイルドウォッシュの代表的な生産国であり、品質は世界が認めるところです。しかし、他の生産国の品質も向上しているため、量のみでなく質的な担保も並行して行う必要もあります。
一方、消費者は環境に配慮した生産を志向する傾向にあり、それに沿った生産を実現する必要があるとも考えています。ただ、土壌を「健康的に保つ」だけでなく、修復・改善しながら自然環境の回復を目指す農業手法であるリジェネラティブ農業(環境再生型農業)等を取り組んだ結果、コーヒー生産者に負荷がかかり、資金回収できずにビジネスから退出してしまうのは本末転倒です。そもそも若者たちは都心へ出てしまう傾向にあり、後継者不足という状況です。
そういう観点からもより生産効率を高める必要があります。
環境に関するルール作りも求められます。一国で行うのではなく、国際的な合意が長期的なコーヒー産業には必要です。そして、それを達成するための新しい農法や技術支援を行うのがCENICAFEの使命とも考えています。
コーヒービジネスは農園が稼げる状態にないといけません。これらの大きな変数とどして生産量、コスト(経費)、価値というものが考えられます。生産量を最大化することによって収入は向上します。また、経費を見直し、効率的な経営を実践することでもやはり収入は向上します。
一方でコーヒーの本来の価値をアグロノミー(Agronomy)を通じてより訴求できるとも考えています。具体的には品種改良、栽培計画、栽培密度、樹齢、更新計画、採光量、土壌分析・管理、肥料投与等の8つを通じて行えます。
具体的には、適切な品種改良を行えば今後20年間にわたって収穫量が良好になるはずです。コーヒーノキは平均で5~6年目が最大の生産量になるため、それにあわせた適切な生産計画を作る必要があり、また、樹齢を踏まえた生産量の最大化のために環境も整える必要があります。そのため、シェードツリーの形成や土壌管理、その結果として必要となる肥料も変わってきます。
これらが適切に行われていたならば、さび病やCoffee Baller Disease (CBD)への耐性もでき、またそれらを早期に発見することができます。
認証苗(Castillo 2.0)を使用した農地では効果がでてきていて、200百万の新木を植え、80トンの収穫があり、結果として9百万米ドルの費用削減へつながっています。
品質向上にあたってはいくつかのものを農家には取り入れてもらっています。ただ、収穫量が増えると結果として未熟豆の混入が増える傾向にあり、これを防ぐためにMediVerde(使用例紹介@Youtube)という測定道具を使い、品質が低下しないように管理しています(スライド2枚目上の写真)。
精製(発酵)工程おいて、適切な発酵が行われるようFarmaestro(使用例紹介@Youtube)という発酵槽での発酵の進行具合がわかる器具を使用するよう指導しています(スライド2枚目中間の写真)。
さらにドライプロセスにおいてはGravimetという計測器を使い生豆の水分値がきちんと10~12%に収まるように継続的に計測をするようにしています(スライド2枚目下の写真)。
もちろん、コーヒー産地や品種の多様性や精製工程の改善の取り組みについても安全性や収穫量を担保しつつ積極的にサポートし、新しい市場も切り開こうとしています。
前述した通り、消費者からの声に応えるという点だけでなく、サステイナビリティの観点からも環境保全等にも力を入れています。さび病等への耐性を持った品種を普及させることによって、殺虫剤散布時に使う百万リットルの水やペットボトルを節約し、220百万米ドルの節約を実現し、それだけでなく、殺虫剤散布しないことで植物や昆虫の多様性に寄与し、560種の虫や260種の植物の保護となっています。また、従来のウォッシング工程では多くの水(40l)を使わなければなりませんでしたが、Ecomill等(参考動画)を活用することで、これを0.5lまで削減することができました。加えて、パルピングの工程に単なる比重選別だけでなく、果肉の硬さを基準とした選抜機器を導入し、未熟豆を90%除去しています。
他にもドローンを活用した殺虫剤や病害虫の早期発見等に取り組んでいます。
近年では農家にアプリを配布し、開花時期にいくつかの情報等をいれると適切な肥料や生育計画、また予想収穫量等が算出できるようにしています。このことによって適切な投資やファンディングができる環境整備を進めています。
そして今までは廃棄もしくはたい肥等の低付加価値産品として活用していたものを、違う名目で再利用できるようにしています。例えば、していたもの、例えば、アルコール、ペクチン、等に分別したり、キノコの苗木となるよう再利用することによって農園の収入源の多様化をサポートしています。
これらのノウハウや正しい科学的な知見に基づいた情報をAIエージェントを活用しながら農園に提供しています。現在は英・西・葡語に対応しているので興味ある方はDLしてほしいと思います。
私たちは様々な取り組みで課題を解決しようとしています。そして、最後に伝えたいのは皆さんが思う以上にコロンビアコーヒーの未来は明るいということです。
コロンビアの現状と未来に向けた取り組みがよくわかるプレゼンでした。個人的には味のベースとなることが多いコロンビアコーヒーがこのように多くの先進的な取り組みを実践していることに未来への希望を持ちましたし、心強くも感じました。
さて、プレゼンテーション後にGaitan博士と少し立ち話をすることができました。個人的にいくつか気になっていたトピックがあったのですが、時間が限られていたので聞いたのはコロンビアで多く行われているカルチャリングやインフュージョン等の新しい精製方法に対すること。現地レベルで規制等の動きがあるか、CENICAFEとしてどう考えているか、等少し聞いたところ、下のような回答でした。
『現地レベルでの規制は今のところない。また、政府や機関として規制する動きもない。多くの農園や企業が様々な取り組みを行っていてそれらを把握するのも難しいのが正直なところ。また、精製は農園の肝でもあって正確な情報公開に協力してくれないところもある。
個人的には主に3つの観点で非常に危惧している部分もある。1つ目は健康面への影響。現状は特段問題になっていないが、健康被害があってはよくないため、精製に関する科学的な情報は農園に提供するようにしている。2つ目に生産ロットを失う可能性。先進的な精製を行った結果、コーヒー豆から意図しない香りがして(もしくは全くしなくて)商品にならないリスクがあるということを農園には提言している。3つ目に再現性の問題。2つ目の問題にも通じるが、発酵を精緻に管理しても異なるタイミングで行ったものは異なるフレーバーとなりやすい。それでは大量のロットへ対応できない。市場からのニーズは認識しているものの、現状としてはこのようなリスクがあるということを農園に共有しているという状況。今後、どのような方向に向かうのかについてはCENICAFEとしても注目している。』
個人的な立場にせよ、比較的ニュートラルな立場だったのには驚きました。ただ消費者の立場としてはこういう風に現地でプラクティスを共有しながら取り組んでもらえると安心できるとも思います。現地の取り組みがどのような成果に結びつくのか、引き続き情報発信していきたいと思います。
]]>Cup of Excellence(COE)は国際的な経験のある審査員を生産国に招いて現地で生産されたコーヒー豆の品評会を行い、生産国の知名度とコーヒー豆の価値を高め、そのコーヒー豆をインターネットオークションで世界中のバイヤーに販売・収入を生産者に還元しています。
1999年にCOEが設立されてから、2025年までに17か国で品評会を行い、(コーヒー豆の入札総額で)9040万ドル(132億8千百万円)の資金を集め、その8割以上を生産者に還元してきました。
COEは1999年にコーヒーのあるべき姿を変えるべく、一次産品共通基金(Common Fund for Commodities (CFC))と国際コーヒー機関(International Coffee Organization (ICO) )の資金を活用し設立されました。
設立当初から多くのコーヒー関係者、例えば著名なブラジル人カッパーで、後にブラジルスペシャルティコーヒー協会(BSCA)会長にもなったSilvio Leite氏、同様に日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)会長もされた林秀豪氏、米国のスペシャルティコーヒーの発展をリードしてきたGeorge Howell氏や米国スペシャルティコーヒー協会(SCAA)の会長だったDon Holly氏、マーケットコンサルタントでAlliance for Coffee Excellence(ACE)の役員を長年務めたSusie Spindler氏等が中心メンバーとなってリードしてきました。
またCOEはいくつかの新しい発想をコーヒー業界にもたらしました。当時多くのコーヒー豆がブレンドされていた中、シングルオリジンという発想を業界にもたらしました。
さらにロースターと生産者が直接取引を行う、いわゆるダイレクトトレードの普及も後押ししました。
これらの輸出の際にバキュームパック(真空包装)を用いたり、水分活性値の管理を行ったりして、品質の向上に努めました。
これらがスペシャルティコーヒー業界に与えた影響は大きいものと自負しています。
COEでは世界で活躍する審査員(カッパー)が集い、カッピング(テイスティング)するわけですが、その際には1人当たり300カップを検証することもあり、一度の品評会に12~14人のカッパーが参加した場合、3600カップを検証しているということになります。
この過程は次のようになります。
生産国で大会に出品したい生産者がまずはCOEにコーヒー豆を提出。事前審査として86点以上の150品のコーヒーを選抜します。
そして、現地の審査員(Natonal Jury)によって同様に86点以上の90品を選抜します。この際に150品に対して1800カッピングが行われています。さらにこれを40品へ選抜することになります。その際、90品に対してさらに厳格な1080のカッピングが行われます。
その後、これらは国際審査員(International Jury)によってカッピングされますが、大会の開催まで不正が行われないように主催者が指定する倉庫で厳格に保管されます。
国際審査員は87点以上のスコアが付与されている40品についてカッピングを行い(第一ラウンド)、上位30品についてもう一度カッピングすることとなります(第二ラウンド)。そして、最終的に残ったこの上位30品がCOE winnerの資格を得ます。結果として、一例ではありますが、最高のコーヒーが選ばれるまでに8720程度のカッピングが行われたこととなります。
このコーヒーはCOE(ACE)メンバーになれば、誰でも入札する機会が得られます。会員登録はオープンで、一度登録すればオークションのサンプルロットを購入することができますので、興味がある方はぜひ登録ください。今後、制度の拡充予定もあるので興味がある方はHPでより詳しい情報を確認ください(登録ページリンク)。
一方で、国際審査員には誰もがなれるわけではありません。友人であろうと、人として優しかろうと、そこには厳格な審査があります。過去のキャリア、ジャッジとしての能力、COEの手続きを理解しているか、COEの理念を理解しているか、過去のコーヒー豆購入実績等、を加味して選ばれるので少しずつ実績を積み上げてほしいと思います。
入札に際してもいくつか手続きが必要となります。まずオークションルールへの合意を行ってもらい、その後当該オークションを主催する現地の機関(International Coffee Partners(ICPs))の審査を経る必要があります。
ちなみにCOEはこれらコーヒー豆に関する所有権はもっていません。あくまでCOEブランドを活用して各国へ関係者が集う機会を提供しているのです。そのため、このように現地機関が責任を以て審査することとなります。
実際の入札は世界同時に行われるため、日本では深夜に行われることも往々にしてあります。準備等は退屈かもしれませんが、いざオークションが始まるとあっという間に進むこととなります。
オークション開始後は商品に3分以内に入札があれば、価格が更新されるように設定されています。その時間内になければ価格が確定し、商品への入札はできなくなります。3時間後に入札時間が2分へと変更され、さらに2時間後に入札時間が1分へと変更されます。以前はこのような制限はなく永遠に続くこともありましたが、現在の制度変更によってより効率的な大会となったと考えています。
日本とCOEの関係は設立当初まで遡ります。1999年開催されたブラジル大会では先述した林氏が参加しました。そして2000年に4つのロットを購入しています。林氏がCOEで果たした役割は非常に大きいと考えており、彼が先陣を切り開いた結果、多くの参加者が続き、彼に学んだと考えています。ちなみにここにスライドの落札価格はUSD1.75/1bとなっているが、市場ではUSD0.40~48/1bで取引されていて、この発表の後多くの生産者が参加の申し込みをしてきたことを覚えています。今となっては信じられない価格でしょう。
丸山珈琲の丸山氏、生豆専門商社ワタル株式会社の関根氏、Times clubの糸井氏も数多く参加した審査員で、COEの発展に貢献して頂きました。
日本には3社(Bontain Coffee, Toa Coffee, Wataru )の生涯会員が存在し、設立当初からサポートしてくれています。そして2019年には75百万60kg-bagsの消費を行うまでに至りました。
2025年上半期を振り返ると、日本から合計24人が国際審査員として前期に開催された8大会に参加し、73lotsが購入されました。また、日本人として初のヘッドジャッジに松本啓太氏(Wataru)が選ばれました。
少し歴史を振り返ると、日本は2000年代のオークションでは75%の購入を誇ることもありました。しかし、その購入額は2010年代になると50%程度となり、2020年代になると35%にとどまっています。
また、日本の購入量は2018年からコロナ禍というイレギュラーな期間をはさみながらも長期的には減少傾向がみられます。ただ円安という要因もありますが、成熟したカフェカルチャーやクラフトマンシップに基づくサードウェイブ/グルメコーヒーの流行に基づく消費者への情報交換を踏まえ、バイヤーが的確に消費者の嗜好を踏まえた小ロットながらもきちんと品質を伴うものを購入しているとも考えています。
つまり、かつて日本は多くのロットを比較的安価に調達する傾向だったのが、現在は少量の高価格ロットを調達する傾向が確認でき、COEの運営者としてわかるのは日本が量的なマーケットから質的・そしてプレミアムなマーケットへ移行したというのがわかります。
事実、日本が調達するコーヒーは概ね他のものに比べて平均点が高い傾向にあることがわかります。
また、品種についても傾向があります。2018、19年はブルボン・ウォッシュドが多く、20、21年はパカマラ・ウォッシュドが好まれました。そして、近年はゲシャ・ウォッシュドとなっています。
ブルボンは赤い果実のさわやかな柑橘系果実の酸があり、クリーンでココアやアーモンドのようなクリーンなアフターが当時は日本で好まれました。
その後、パカマラへと好みが変わり、ジューシーでマンゴーやピーチのような果実感があって、かつクリーミーなマウスフィールが感じられるものが好まれるようになり、近年ではより鮮明にさわやかな柑橘酸と高級感のあるフローラル感が感じられるゲシャが好まれる傾向にあります。
日本の特徴は調達先にも表れています。特にブラジル、ホンジュラス、エチオピアに集中する傾向があるのです。これらの地域で日本がCOEから調達しているコーヒー豆の50%程度を占めています。COEの運営者としては他の国への分散も期待するところですし、そうしたほうがロースターの調達のリスク分散になると考えています。
一方、年度によって調達量・額が異なります。これはその年の落札額の高低に影響を受けやすいものとも考えています。一方で、エチオピア等の特定国については落札額の高低に関わらず、落札しているのも興味深いところです。
先ほども指摘した通り、COEの運営者としては日本はかつてのように価格や量のリーダーから、自身のマーケットが嗜好する品質を中心とした落札者へとシフトしたと考えています。実際、量と価格については新興である中国、台湾、韓国がそのポジションを担うようになっていて、日本がトップラインを飾ることは少なくなりました。ただし、日本が重視する品質の向上はCOEとしても引き続き重きをおいているところであり、今後も日本がこの分野でCOEをリードし続けてくれることを期待もしています。
ACE/COEの歴史、そしてその中で変遷していく日本の役割についてよくわかるプレゼンでした。もちろん、日本の役割も変わっていっていますが、ACE/COEも難しいかじ取りが求められています。多様化する精製工程に対応するために一部の国ではExperimental部門を新設したり、また新興の生産国や消費国へのマーケティングプロモーション、さらにSCAのカッピング方法が変わる中での対応等、多くの解決すべき課題があると思います。
そういう意味ではこのタイミングでACE/COEの会員になってインサイダーとして意見を出していったり、課題を解決していくというのは面白いのかもしれません。また、その中で最前線をはって、挑戦的なコーヒー豆を購入することには引き続き意味があると思います。多くのコーヒー豆がダイレクトトレードで入手できるようになった今だからこそ、ACE/COEの入賞豆はより輝けるのかもしれません。
今後、ACE/COEがどのような組織としての発展をしていくのか、またその中で日本がどのような役割を果たしていくのか、注視しながら、何かあったらここで情報を共有したいと思います。
なお、このサイトではSCAJ2025の他のセミナーについても今後アップしていく予定です。
]]>現在、シェアロースター的なものを主として利用しているのですが、そろそろ自分の焙煎機が欲しいと思っています。というわけでSCAJはそんな私のような迷える子羊にとっても絶好な機会となっています。
この記事では焙煎機購入の検討のために個人的に見て回ってみたいとおもっている焙煎機を展示しているブースについてまとめます。お店をやっているわけではないので、~1kg程度の家庭用焙煎機を中心に見て回る予定。ただ、間違って3kg釜もみてみたいと思っていたりします。
ということで、まずは焙煎機。
ダイニチ工業株式会社が展開するコーヒー豆焙煎機シリーズ。焙煎量が60g~120gと少量で焙煎度は固定された候補の中から選ぶ形式となっていますが、家庭でコーヒー豆の焙煎体験をしながら飲むのであればこれで充分かも。そしてなによりスターターキットとして優秀な価格設定、2025/9/23時点で公式オンラインショップで34760円~購入することができます(12段階焙煎度が選べるものは99,990円)
ダイニチの(ブースは(1F)1109)です。
昨年のSCAJで販売(予約)され、多くのロースターが購入したNucleus Coffee ToolsのLINK Sample Roaster(焙煎量50-100g)。
最大の特徴は焙煎プロファイルを自ら組み立てる必要がなく、生豆の情報をスマートフォンアプリに入力することで最適な焙煎プロファイルを算出し、本体へ入力するだけで焙煎が可能なこと。また、パソコンに繋げば独自のプロファイルを作ることも可能です。
この手軽さから私の周りの人たちがこぞって買っていました。個人的には日本でIkawa(Panasonicが日本ではThe Roastという名前で販売していましたが、2022年に販売を取りやめました)にとって代わる存在になったのではないかと思っています。。
LINK Sample Roasterについては代理店であるFBC インターナショナルの(ブース:(1F)2205)で確認できると思います。
焙煎量に対してのコスパが圧倒的なAillio。世界に多くのユーザーを抱え、焙煎プロファイルも共有されているため、初心者にもやさしい設計となっています。シェアロースターもこれなので、スムースな意向を考えた場合はこれ一択です。特段の不満は、、、まぁ、使ってみると火力や排熱等で少し悩みはあるのですが、それも最新機種ではだいぶ軽減されていると聞くので、これは有力な候補と考えています。
Aillioについては日本の取扱会社であるノーザンコマーシャル(ブース:(1F)2301、(4F)4204)とR&D ESPRESSO LAB(ブース:(1F)1404)で確認できます。
大阪の穴織カーボン株式会社と株式会社モトヤマが共同開発した新しい焙煎機。各々が持つカーボン技術と電炉技術を重ねた結果、既存の商品にはない高品質な焙煎機CaVersが誕生するとのこと。2025年に発売と公式HP掲載のパンフレットに記載がありますが、その他わからないことも多いのでこの機会でいろんなことを聞いてみたいと思っています。(ブースは1501)です。
こうかくと安かろう、悪かろうと思われるかもしれませんが、日本への導入実績を多数もち、また世界の展示会で販売を行っていても利用者から不満の声は聞こえてきません。大きさも1kg~10㎏まで商品ラインナップも充実しています。個人で輸入しないといけないため、その手続きだけがこわいという感じでしょうか。ただ、この辺も公式HPをみると充実しているように見受けられますし、相談できる窓口もきちんとあるようです。
(ブースは2102(1F))です。当日はBESCAのアドバイザー的な役割を担っている方もいらっしゃるかもしれないので色んな情報を確認してみるのも良いかもしれません。
新品・旧品いずれにも多くのファンを抱えるPROBAT。国内利用者も多く、アフターサポートも充実しています。そのかわりお値段はお高め。ただ、それでもお値打ち以上のパフォーマンスをたたき出すという感じでしょうか。
SCAJ2025では日本の代理店であるDKSHジャパンの(ブース:2106(1F))でP01・P05・P12を実機展示されているとのこと。
少し関係ないのですが、業務効率化ツールとして2つ個人的に興味深く思っているツールがあります。
avercassoは台湾を拠点とするスタートアップ企業で、コーヒー業界で生豆の選別にAIを活用した最先端技術を提供しています。そして、その技術を形にしたのが会社名にもなっているコーヒーなまま豆自動識別機CS Oneです。SCA基準の欠点豆を99%の精度ではじいてくれる優れもの。ちなみに動画上では250g(2000粒)を3分30秒で峻別しています。
人間も素早く峻別することは可能だと思いますが、蛍光灯、マット、椅子、集中力を用いないとだめなので、この手間が省けるとなるとほしいと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。去年の商談会では100万円以上はするとのことをお話として伺った記憶がします。また、ターゲットとしては商社や中規模ロースターのサンプルテスト等を想定しているとのことだったので、うなってしまいましたが、そのうち、値段下がらなないかなと思ったりもしました。
いずれにせよ、今年もavercassoは(ブース:2004(1F))出展してアップデートした姿を披露してくれるようなので興味ある方は機能と値段のヒアリングをしてみてはいかがでしょうか。去年、ブースには開発担当の方等がいらして熱心に説明されていました。
コーヒーのドリップバッグ自動機器等を手掛ける株式会社ナサ(本社:東京都神田)が手掛けるコーヒードリップバッグの小型自動包装機です。コーヒーショップの主戦場はやっぱり豆売りです。そして、これに関連する作業はとんでもなく多く、負担となっているのも事実でしょう。コーヒー豆の計量、注入、封締め等。これが自動化されたら、なんて楽だろうと思った人も多いはず。
店舗型生産向けドリップバッグ包装機「tomte.DB1」であれば必要な時に必要な数のドリップバッグを、一個から店舗で気軽に作れるようになります。
と、絶賛していますが、HPで公開されているお値段は220万円(税込、2025/9/23確認)でした。個人というよりも人を複数人雇っている中規模ロースター以上でないとその前に投資すべきものがあるだろうと怒られそうですが・・・。これによって人員を他の作業に配置できればお店の収益機会がさらに増える可能性もあるのではないでしょうか。株式会社ナサの(ブースは4102(4F))です。
最後に紹介した機器の値段はいずれも高いですが、人ひとり分の給与と考えて回収するイメージをすれば決して高い投資ではないと思われます。
ちなみに焙煎機関連で興味ある方はCoffee VillageにもKaleido Sniper Coffee Roaster(V120)等が出展しているので企業ブースだけではなく、Coffee Villageも一通りみることをおすすめします。
]]>そして、SCAJには毎年様々な国が自国生産のコーヒー豆のプロモーションに来日にします。南米や中南米、アフリカ各国は常連組です。いずれも世界的なコーヒー生産国で、日本へも相応の量のコーヒー豆を輸出しています。これらの国々はブースも大きく目立つのでここでは取り上げます。
一方で、日本へのスペシャルティコーヒーの販売量を増やしたい国もあります。ここでは個人的に気になっているSCAJ2025に出展する国々と関連するブースについてまとめます。
中東でコーヒー関連で有名なのはモカ港を有するイエメンでしょう。今年もイエメンのスペシャルティコーヒー豆を取り扱うモカ オリジンズ(ブース:4109)が出展しています。
しかし、中東には他にもコーヒー豆の取り扱いに力を入れ始めている国があります。
例えば、今年のBest of PanamaでGW-1を落札したのはドバイのJulith Coffee でした。値段は1kgあたり30,204ドル(約450万円)。ロット20㎏での販売だったので、合計604,080ドル(約9千万円)の落札価格になりました。
またスペシャルティコーヒー協会が現地パートナーとWorld of Coffee Dubaiを共催してマーケットとしても重視していることがよくわかります。そして、京都にグローバルフラッグシップストアを設け、世界的なブランドにもなった% Arabicaも複数のショップをオープンしています。
今回、中東からはSaudi Coffee Association(ブース:4302)が出展しているので現地の情報収集がてら訪ねてみるのも面白いと思います。
インドは従来よりコーヒー豆の生産が盛んでした。特に知られているのはコーヒー豆を偏西風にさらして出来上がる独特な風味を持つモンスーンコーヒーでしょうか。このコーヒー、品質的には賛否があるコーヒーでしたが、最近はその他にも多くのコーヒーが栽培されるようになっています。
そしてそんなコーヒー豆は少しずつですが、日本へも輸出されるようになっています。その起点ともなっているのが国鳥であるトーカイ(クジャク)をロゴに添えたブルートーカイではないでしょうか。ブルートーカイ(Village:084)は今年もVillageに出展しています。そして今年は政府機関であるCoffee Board of Indiaが Coffees of India (ブース:3108)として出展、また生豆取扱業者のKalenchandra Coffee (ブース:1203)やKaapi&Culture株式会社 (YETTU )(ブース:Village095/096)が出展しています。
近年、ロブスタ生産に注目が集まることよってその生産力に注目が集まっている国です。生産量が安定しているだけでなく、港湾へのアクセスも比較的良好で品質の良いコーヒー豆が収穫されます。日本へもロブスタを中心に多くのコーヒー豆が輸出されています。
SCAJはスペシャルティコーヒーの祭典なので多くのベトナムコーヒー豆を取り扱うブースではアラビカを取り扱われていますが、ファインロブも多く取り扱われています。
普段、あまりファインロブを飲まない方にとってはその特徴的な風味には驚かれるかもしれません。ナッティ―、チョコレーティ(少し麦茶・穀物的なニュアンスを持つものもあります)は多くのファインロブから感じられる風味的な特徴ではありますが、きれいに精製されたものにはレーズンやアプリコットなど、スペシャルティーコーヒーのアラビカに劣らない風味を持っています。
もしかしたら生産者の方々もこのタイミングに合わせて持ってきているかもしれませんので、その取り組みとともにヒアリングしてみると良いかもしれません。
そんなベトナムのコーヒー豆に特化した主なお店はMegarden Coffee(ブース:1104) や Da Latee(ブース:S029)等があります。
コーヒー生産量を年々増やしている中国。その多くが、雲南地区で収穫されています。特に先進的なプロセッシングを用いたに積極的に取り組んでいる地域としても有名な雲南ですが、両国に店舗を持つ雲南コーヒーを主に扱うMountain Mover Coffee(ブース:2404)や壹丁咖啡莊園(ブース:4211)等が出展していますので、中国のコーヒー豆のトレンドを確認がてら立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
日本の隣にある台湾。近年では沖縄のコーヒー栽培との関りも多く、コーヒー栽培について学ぶところが多い生産地域の一つです。今回はTCL珈琲研究室(ブース:2009)が出展しています。創業者のLinさんはQ インストラクター(Qグレーダーの教育指導を行える資格)で日本にも多くの生徒さんがいます。
また、国際的なコーヒーの品評会であるCup of Excellenceも彼が中心となって誘致し、今年で3回目の開催され、2025年1位の豆には91.08点のスコアがつけられ、1ポンド(454g)あたり180.40ドルの値段がつき、台湾コーヒーの品質向上とブランディングに寄与しています。
TCL珈琲研究室は例年通りセミナーも行い、その中でカッピングも行われると思います(去年はそうでした)。他にも台湾卓武山農園/里響珈琲(ブース:4105)等がありますので、会場でチェックしてみてください。
このほかにも日本では必ずしもメジャーではない国々も多く出展しています。その中にはとんでもない可能性を秘めたスペシャルティコーヒーがあるかもしれません。そういう豆との出会いを模索しながら、普段で合わない生産国を中心に会場を巡ってみるのも面白いのではないでしょうか。
ちなみに当日、私は会場で巡ったブースをSNS等で積極的に発信していこうと思いますので、よろしければそちらもチェックしてみてください。では良い皆さんのSCAJ2025が充実したものになりますように!
]]>現地でチケットを購入する場合、3000円のチケット代がかかります。一方、事前登録時にチケットを購入する場合は2000円ですみます。1000円あれば、ドリップバッグやお試しコーヒー豆など購入できますので、積極的に事前登録しちゃいましょう。
また、事前登録したうえで、入場バッジ(入場パスのこと)をプリントアウトして持参すると、現地での受付・プリントアウトの作業を省略することができ、入場が圧倒的にスムーズです。そのため、事前登録+入場バッジプリントアウトして持参することをお勧めします。
なお、SCAJ直前になるSCAJ会員であるスペシャルティコーヒーショップはレジ横にそっと無料招待券を置いていたりします(お店の常連さんになると事前に声掛けをしてくれたりもしますが、その辺はタイミングだったりします)。開催まで残りわずかですが、店主さんとのコミュニケーションの一環として話してみると良いかもしれません。
会場は広いので適当に来場してしまうと時間だけが過ぎてしまいます。企業ブースはどこを回るのか、何を知りたいのか、コーヒーショップ等が中心のビレッジはどこを回るのか等、一度訪問前に整理すると良いと思います(ちなみに色々決めても段取りがいまいちな私はいつもドタバタします)。
その際はHP上にあるマップを使い倒しましょう。このサイト、メールアドレスを登録すると複数端末(スマホ、タブレット、PC等)でログインした場合でも情報共有できます。ここで、自分なりのマップを作ってシミュレーションするとより効率的にブースを巡ることができると思います。
ちなみにこのMAPはとても優秀で会場を上から俯瞰するだけなく、立体的に斜めの視点からチェックすることもできますので大いに活用してください
なお、例年混んでいるブースがあります。例えば、有名なロースターだったり、バリスタ、もしくは生産国のブースがそうなのですが、この辺は混み具合をちらっと見て柔軟に変更すればよいかと思います。
SCAJの一つの目玉がバリスタ・ロースター・カッパーたちの魅せるテクニックでもあります。バリスタは一押しのコーヒー豆を使って、継続的に練習した抽出方法を披露してくれます。ロースターは日々の研究成果である焙煎技術を用いて火入れしたコーヒー豆を提供し、カッパーたちは短時間で正確なスラープ音が聞けることでしょう。
ここで優勝すると一気に知名度は上がりますし、世界大会への切符が付与されるコンテストもあります。ここから未来の有名人が登場するかもしれません。その時、観覧していたなんていえたら、ちょっとした自慢になるかもしれません。興味ある方はこの舞台をきっかけいに競技者が所属するお店へ行ってもいいと思います。
いずれにせよ、トップの職人たちがしのぎをけずる競技会、面白くないはずがないんです。お時間があう方はぜひ観覧してみてください。

会場では業界の最新情報を知る世界です。企業ブースでは最新ツールを触ることができますし、Villageでは業界のトレンドを知ることができるはずです。ただし、最新トレンドであって、もっと未来を知りたい場合や体系的な知識を得たい場合はセミナーに参加することが一番良いかもしれません。
生産者は現地で取り組んでいる農法や品種改良、もしくはどんなことで困っているかを教えてくれます。仲介業者(インポータ―・エクスポーター等)は自社のコーヒー豆の傾向や世界的な潮流を共有してくれますし、消費者に近いEC支援業者等は厳しい市場競争に有用な最新ツールを紹介してくれます。
いずれも有用な情報に違いないです。SCAJ期間中、セミナーは3つの形態で実施されます。(1)大会場で行われるもの、(2)事前登録が必要なもの、(3)招待が必要なもの、です。
(1)は混雑具合にもよりますが、よっぽどのことがない限り、立ち見等を覚悟すれば聞けると思います。また、(3)については事前招待等になりますので、そのお声がけがある関係者しか参加できないこととなります。
(2)は枠があればだれでも聞くことができますので興味ある方は事前の申し込みをお勧めします。そこで事前申し込みをすれば誰でも聞ける(2)への申し込みを済ませておくと良いと思います。
ちなみに(2)のセミナーですが、当日や直前キャンセルがあると枠ができるシステムとなっています(少なくとも去年はそうでした)。なので、もし埋まっていたとしても直前までサイトをチェックして運が良いと申請することができるかもしれません。最後までチェックしてみてください。

今までまとめたことに対応できていたら、たぶん大丈夫。当日までサイトに出展しているお店をチェックするのみです。個人的にもいくつかチェックしたい店があるので、次の記事でシェアしたいと思っています。では、SCAJ2025 を思いっきり楽しみましょー。
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