活動開始以来、次の3つを基本方針としてきました。
建築は、人が使ってこそ生きていけます。展示物は、建築ではありません。住宅ならそこに住み、オフィスならそこで働き、設備は実際に使える状態で維持する。それが、私たちの考える「使いながら遺す」建築の保存方法です。
見学会の時だけ使うのではなく、日常的に使う人がいることで、建築は理想的に遺すことができるでしょう。しかし、その役割を熱量を持って担う人は多くありません。だからこそ、私たちは自分たちの人生を差し出し、自分たち自身が使い続けることを前提に保存活動を行っています。
カプセルの車両化、ミニタワーを建設してメタボリズム建築を実現することも、自身で使うことで遺し続けることを可能にします。今後、数十年間で同じような熱量で取り組める方を探し出し、これらを引き継いでもらえることができたらと考えています。
中銀カプセルタワービルは世界的にも評価されている建築です。私たちは可能な限りオリジナルを残し、失われた部分についても調査を行いながら、竣工時の姿を尊重したレストアを進めています。新しく作り替えるのではなく、建築が持つ歴史や痕跡も含めて未来へ受け渡したいと考えています。
建築を長く使い続けるためには、現在の法律に適合し、安全に使用できる状態にしていく必要があります。「保存カプセル」については、竣工当時は合法でしたがカプセル内に残ってしまったアスベストの除去をはじめとした法令遵守をしながら、未来でも使い続けられる建築にすることを目指しています。
以下に、私たちの取り組みを建物解体以降から現在、建物解体前後、建物解体前に分けて、現在からさかのぼって記します。
2022年10月、中銀カプセルタワービルの解体工事は終わりました。建物はなくなりましたが、私たちの活動は続いています。
現在は、保存した7個のカプセルを救出・保管しながら、
を進めてきています。
このプロジェクトでは、7個の「保存カプセル」の運搬費を中心にご支援をお願いするとともに、中銀カプセルタワービル全戸図録・解体編『カプセル1969-2025』や『カプセル・パーツリスト』など、将来の修復や研究に必要となる資料制作を行なっています。
600ページの中銀カプセルタワービル全戸図録・解体編『カプセル1969-2025』は2026年4月に完成し、500ページを予定している『カプセル・パーツリスト』については2026年7月現在も制作を続けています。
2020年末、中銀カプセルタワービルの解体が正式に決まりました。建物がなくなるまでの限られた時間の中で、自分たちに何ができるのか。
その答えとして取り組んだのが、「3つの保存」です。
「記録保存」では、全140カプセルと共用部の実測調査・写真撮影を行い、建物全体の記録を残しました。「オリジナル保存」では、アスベストの影響を受けない範囲で家具や設備機器を取り外し、その後は解体工事と並行してアスベスト環境下でオリジナルパーツの救出を進めました。「シェア保存」では、解体前年まで見学会やシェアオフィスを継続し、多くの方にカプセルを体験していただきました。
これらの活動を実現するため、2021年5月に最初のクラウドファンディング「解体迫る!中銀カプセルタワービル全戸調査記録+動くカプセルで保存へ」を実施しました。308名の支援者様から総支援額406.3万円(達成率270%)のご支援をいただき、全140戸調査、オリジナルパーツの救出、「保存カプセル」の確保などを進めることができました。
代表・いしまるあきこは、2013年から約1年間、中銀カプセルタワービルB棟9階のカプセルに居住しました。その後はオフィスとして利用し、さらにシェアオフィスとして企画・運営を行いながら、中銀カプセルタワービルを「使いながら遺す」活動を続けてきました。
その活動を評価していただき、2017年からA棟6階のA606を借り受け、「中銀カプセルタワービルA606プロジェクト」をスタートしています。
A606では、1972年竣工当時の状態を目指してレストアを進め、ブラウン管テレビ、オープンリール、AM・FMラジオ、電子計算機、タイプライター、電話、冷蔵庫、ブラインドなども可能な限り当時の状態で使用できるよう整備しました。
オリジナルのユニットバスも良好な状態で残り、多くの方々に1972年当時のカプセル空間を体感していただきました。
私たちは、7個の「保存カプセル」を「使いながら遺す」という考え方のもと、建築として維持・活用しながら、修復技術や保存技術を蓄積していきます。
将来は、カプセルの車両化、保存したカプセルを活用したミニカプセルタワーの建設や、車両化による可搬型メタボリズム建築などにも挑戦し、黒川紀章氏が提案したメタボリズム建築を現代に再び実現したいと考えています。
私たちは、自分たち自身が使い続けることで、中銀カプセルタワービルを未来へ受け渡していきます。
]]>1回目は、建物解体前に、記録やオリジナルパーツをできる限り残すこと。2回目は、解体内容を記録し、救出した保存カプセルを調べ、どのように残し使えるようにするかを目的に行いました。目的は異なりますが、どちらも「メタボリズム建築を使いながら遺す」という一つの目標につながる活動です。
多くの皆さまからいただいたご支援により、現在の保存活動を続けることができています。
当初は自身が使用していた「カプセルA606」のみを譲り受ける予定でした。黒川紀章氏の提唱していた土地から解放される「ホモ・モーベンスの住まい」として、カプセルA606を車輌化して保存していくことを考えていました。クラウドファンディングのタイトルが「解体迫る!中銀カプセルタワービル全戸調査記録+動くカプセルで保存へ」としていたのは、そのためです。ここでは、308名の支援者さまから4,063,000円(達成率270%)のご支援をいただきました。
ここでは、その時点で取り組める保存として、「記録保存」と「オリジナル保存」の2つの保存を実施しました。
クラウドファンディングの報告ページ、2022年9月「終了報告:「記録保存」と「カプセル保存」の完了と今後について」により詳しく記載しています。
2022年10月、中銀カプセルタワービルの解体工事は終了しました。「保存カプセル」でメタボリズム建築を実現するためには、解体を記録して再建できるようにし、カプセルのつくりも把握して再生産できるようにしないといけません。また、これからの長い時間、建物を保つためにはつくりを正確に把握してメンテナンスもできるようにしないといけません。
そのため、私たち「中銀カプセルタワービルA606プロジェクト」は、中銀カプセルタワービル全戸図録2・解体編『カプセル1969-2025』をまとめ、現在も『カプセル・パーツリスト』の制作をしています。
2022年10月、2回目のクラウドファンディングを実施し、カプセルA606の他に追加で救出した6個の「保存カプセル」の運搬費を中心に、解体後の保存活動を継続するためのご支援をお願いしました。
保存活動は現在も続いています。資料制作や「保存カプセル」の修復・法適合化を進めながら、将来の活用に向けた準備を行っています。
私たちが目指しているのは、「使いながら遺す」という考え方のもと、「保存カプセル」を建築として維持し続けることです。
将来は、「保存カプセル」を活用したミニカプセルタワーの建設や、車輌化による可搬型メタボリズム建築などを通して、黒川紀章氏が提案したメタボリズム建築を現代に再び実現したいと考えています。
みなさまからいただいたご支援は、単にカプセルを保存するためではなく、「建築を使いながら未来へ受け渡す」という新しい保存活動へとつながっています。
]]>info@capsule1972.com
090−4363−9124(いしまるあきこ)
私たちは、PhaseONE Japanさまご協力のもとPhaseONE「IQ4 150MP」(1億5100万画素の超高性能カメラ)を使用して、中銀カプセルタワービルの記録保存に取り組んでいます。全体を撮影しても高解像度で細部に至るまで拡大できるため、記録保存で世界中で活躍しているカメラです。 We are using PhaseONE “IQ4 150MP” (super high performance camera with 151 million pixels) in cooperation with PhaseONE Japan to record and preserve the Nakagin Capsule Tower Building. This camera is used all over the world for record keeping because it can capture the whole image and magnify every detail in high resolution.
PhaseONE「IQ4 150MP」で撮影した中銀カプセルタワービルの写真を公開していきます。写真をクリックすると、より大きなデータを見ることができます。元データから取り扱いやすい程度に圧縮したもの(1枚あたり100MB程度のjpgデータ。オリジナルは180MB程度です。)です。拡大しながらお楽しみ頂ければと思います。データ量が大きめですので、閲覧環境にご注意ください。 Photos of the Nakagin Capsule Tower Building taken by the PhaseONE IQ4 150MP are now available. Click on a photo to see a larger version. The original data has been compressed to a manageable size (about 100MB of jpg data per sheet. original is about 180MB). I hope you will enjoy them while enlarging them. Please note that the data is large, so please be aware of your viewing environment.
写真撮影は中銀カプセルタワービルA606プロジェクト副代表の蔵プロダクションが行いました。The photo was taken by Zoh Production, vice president of the A606 Project at Nakagin Capsule Tower Building.
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写真の後には、カプセルA606の機器類(テレビ、オープンリール、電話など)を動かしている様子やA606の最終日の動画(YouTube)などをアップしています。Following the photos is a video (YouTube) of the Capsule A606 equipment (TV, open reel, telephone, etc.) working, as well as videos from the last day of A606.
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中銀カプセルタワービルA606は、複数人の会員とのシェアオフィスです。会員の利用が無いタイミングで、事前予約制でご案内致します。また、中銀カプセルタワービルは分譲マンションで、ほかの入居者・使用者がいますので勝手に入退館できません。ご了承の上、お申し込みください。
7月は見学会を開催予定でしたが、残念ながら諸事情のため開催できませんでした。楽しみにお待ち頂いていた方には申し訳ありませんでした。8月は開催できればと思っておりますが、こちらも未定です。開催できるようになりましたら、こちらでお知らせ致します。ただし、私たちの使用しているA606の退去は、8月末の予定です。そのため、ご希望にそえない場合があります。何卒ご了承ください。
※日程に関して個別のご連絡は対応しておりません。
■見学会の内容
約60〜90分の内容です。ブラウン管テレビを見たり、オープンリールで70年代の音楽を楽しむことができる、1972年の竣工時にレストアされたA606を中心に中銀カプセルタワービルをご見学・体感頂きます。共用部もご案内します。少しゆったりカプセルを楽しんでもらいます。一般の方から建築関係者まで、おこたえできる範囲でご質問にも回答致します。
ご案内するのは、2013年から中銀カプセルタワービルに1年ほど住み、その後はオフィスとして使っている中銀カプセルタワービルA606プロジェクト代表いしまるあきこ(一級建築士)とA606の機器類をレストアしてきた副代表です。いしまるあきこは、中銀カプセルタワービルについての執筆なども行い、現在もA606でシェアオフィスを企画・運営しています。
■2021年見学会開催予定
【満員】6月6日(日)11:30〜/14:30〜
【満員】6月8日(火)11:30〜/14:30〜
【満員】6月13日(日)10:30〜/12:30〜/14:30〜
【満員】6月19日(土)10:30〜/12:30〜/14:30〜
【満員】6月20日(日)10:30〜[子どもと一緒の方向け]/12:30〜/14:30〜
【満員】6月23日(水)14:30〜
【満員】6月25日(金)10:30〜
【満員】6月26日(土)10:30〜/12:30〜/14:30〜
【満員】6月27日(日)10:30〜[子どもと一緒の方向け]/12:30〜/14:30〜
■ご予約方法(個人)
ご希望の方は下記メール宛てに「件名:A606見学会参加希望」「ご希望日時・お名前・電話番号・参加人数」をご連絡ください。複数名でのご参加希望の場合は、参加希望者の方のお名前、電話番号もお知らせください。こちらから詳細ご返信致します。
info@capsule1972.com
※お返事に2〜3日頂く場合があります。
※中学生の方は親御さんと一緒にご参加ください。
※高校生の方は親御さんの許可を得て、または、一緒にご参加ください。
■ご予約方法(子どもと一緒の方向け)
未来の建築家になるかもしれない「子ども」にこそカプセルを体感してもらいたい!ということで、子どもと一緒の方向けの枠をつくりました。子どもが騒いでしまっても「お互い様」という感覚でご参加頂ける方向けです。
ご希望の方は下記メール宛てに「件名:A606見学会参加希望」「ご希望日時・お名前・電話番号・参加人数(大人・子ども)・お子様の年齢」をご連絡ください。こちらから詳細ご返信致します。
info@capsule1972.com
※お返事に2〜3日頂く場合があります。
※小学生以下は無料
※子どもは小学生以下を想定しています。中学生以上の方は、一般・個人向けでお申し込みください。
※一般の見学会とは違い、安全面からA606をメインにご見学頂きます。
※一般の見学会より短めの60分以内を想定しています。
■見学料
おひとりさま3000円 ※小学生以下は無料。中学生・高校生はお値引きします。学生証お持ちください。
いままで国内外の建築関係者向けにほぼボランティアでご案内してきましたが、今後、カプセルの学術調査およびカプセル保存・牽引化に費用が必要なため、見学料を頂くことに致しました。
見学料は中銀カプセルタワービルA606プロジェクトが今後行っていく、中銀カプセルタワービルの記録保存(実測・写真撮影等)の必要経費、解体後のカプセルユニットのオリジナル保存・レストアのために使います。具体的には「中銀カプセルタワービル全戸調査にともなうアスベスト対策費用」、「A606内装の取り外しにともなうアスベスト対策費用」、「鍵の紛失、または、鍵が固着して開かないカプセルの扉の開錠費用」、「解体後にA606カプセルユニットを譲り受けたあとの維持費用」等に使わせて頂きます。詳細は、7月28日に終了した、クラウドファンディングでご覧ください。
●撮影協力
MV 「ぽつんとシュロが、」東郷清丸
MV “Where Are You Now” LULU X(IMALU)
映像作家・和久井幸一×アーティスト 中銀カプセルタワービルA606一連のシリーズ
Film “Eastern Memories”
Eastern Memories – Trailer from Hillstream Pictures on Vimeo.
新聞『東スポ』(カプセルガール 大山顕×℃-ute)
●取材
Web「メタボリズム名建築の中で働くチャンス。中銀カプセルタワービルでシェア会員を募集」(lifehacker)
Film “Eastern Memories”
TV『Fresh Faces』(BS朝日)
TV『Nステ』(TBS)
TV『建築は知っている ランドマークから見た戦後70年』(NHK Eテレ)
Radio『TOKYO MORNING RADIO』(J-WAVE)
雑誌『LIVES』Vol.104 「カプセルの原型を知る」としてA606の紹介とインタビュー記事
●執筆
書籍『中銀カプセルタワービル 銀座の白い方舟』 第2章(10組の)住民インタビュー
書籍『幸せな名建築たち』 中銀カプセルタワービルを含む47組の名建築オーナーへのインタビュー・執筆・カバーデザイン・DTP
書籍『住まい再発見』 中銀カプセルタワービルについて執筆
雑誌『東京人』2017年1月号 小特集「名建築が生きのびる方法 中銀カプセルタワービル」
雑誌『建築ジャーナル』2016年2月号 シリーズ 年間テーマ 居住の夢[2]現在進行形のメタボリズム運動「中銀カプセルタワービル」
代表いしまるあきこが1年ほど住んでいたB棟9階のカプセルを引越し後も借り続け、空いている時間を友人たちとシェアすることからスタートしました。過去に2つ同時にシェアオフィス運営をしていましたが、現在ではカプセルA606の1つのみで「使用することで、中銀カプセルタワービルに人の気配を生みだし、建物の維持・保存に貢献しつつ、会員は中銀カプセルタワービルを楽しみつつ活用し、会員外にも親しんでもらうことを目的」として引き続き運営しています。
10㎡という小さなカプセルを使用するため、会員同士は同時には使わないタイムシェア方式をとっていることが特徴です。また、使った会員が支払う使用料は使えなかった他の会員へ返金する形をとっているため、使えなかった会員も誰かが使えば使うほど、使えない会員もお得な仕組みです。
●中銀カプセルタワービルA606プロジェクト:A棟6階のカプセルA606を竣工時にレストアしたカプセルを維持してシェア。会員数8名
●以前使用していたB棟9階のカプセル:カプセルを気軽に使いこなしながら維持するシェア。会員数10名
文 :いしまるあきこ
写真:蔵プロダクション
【記事一覧】
●カプセルの時計が動いた!
●カプセルの洗濯事情
●カプセルの丸型ブラインド
●カプセルの近くでおいしい珈琲をテイクアウトする
●カプセルのお風呂事情
●カプセルの、ここもコンセントでした
●カプセルに似合う手動掃除機「Hochi(ホチ)」
ショップサイトからご購入ください。
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●中銀カプセルタワービルが登場する書籍・雑誌たち
『中銀カプセルタワービル』(中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト編著、青月社)
『1972 – Nakagin Capsule Tower』(Noritaka Minami、Kehrer Verlag Heidelberg)