今回はエアフロメーターの作業事例をご紹介いたします。エアフロメーターとは、エンジンの吸気経路に設置されているセンサーのことを指します。エンジンECUはエアフロメーターのセンサーが読み取った値(エンジンの吸入空気量)をもとに、燃料噴射量を計算しインジェクターに対して指示を出しています。このセンサーにもホットワイヤー方式やフラップ方式などいくつかの種類があります。説明が長くなってしまいました。いずれの方式でも、エンジン制御の要となるセンサーなので、故障するとたちまち不調に陥ってしまうことがあります。年数が経っているお車ではエアフロのはんだの劣化により不調となる症状はよくお聞きします。
今回は、BNR34 スカイラインGT-Rのエアフロメーターの作業をご依頼いただきましたので、作業内容をご紹介したいと思います。BNR34はエアフロメーターで燃料噴射量を制御しており、センサーはホットワイヤーと呼ばれる、熱線が冷まされた際の抵抗値の変化をもとに吸入空気量を測定する方式を採用しております。

インテークマニホールドに設置(=エンジンルーム内に設置)されていることから、ハウジングはシーリングによって完全に密閉されています。まずは、ハウジングのシーリングを切開し、開封します。すると、このような金属製のシールドがはんだにより固定されています。

シールドを撤去すると、基板部分が現れます。まずは、故障の原因となるはんだを全て「打ち替え」ます。はんだ自体も年数により劣化しておりますので、盛り直しではなく、一度全てのはんだを除去してから、新たにはんだづけを行います。画像からは判断できませんが、基板の構造が片面基板のため、クラックの影響を受けやすい構造となってしまいます。また、コネクターのターミナルへの接続部分も同様に振動によりクラックなどの劣化が起きやすいウィークポイントでもあります。


コネクターのターミナル部分のはんだを除去し、慎重に引き抜くとハウジングとセンサー部分を分離することができます。
ターミナルと基板の接続部分のはんだはソルダーウィック(吸い取り線)などでは完全に除去することが難しく、特殊なはんだを使用して端子やハウジングに負荷がかからないよう素早く取り外す必要があり、高度な技術と経験が要求される箇所でもあります。
画像ではわかりづらいですが、ブローバイなどによりオイルや汚れが堆積し汚れている状態でした(オイルが作業机に垂れてしまっていますね)。非常に繊細なセンサーですので、直接触れることがないよう注意しながら、専用溶剤で洗浄を行います。

センサーに付着したオイルや汚れを除去し、綺麗になりました。合わせて、ハウジングやスクリーンも徹底的に洗浄を実施いたしました。

センサー部分をハウジングへ戻し、コネクターのターミナルと基板をはんだづけにより接続します。
クラックなどの劣化を受けづらくし、耐久性を高めるため、はんだの量や熱管理に注意を払いつつ慎重に作業を行います。作業後は実体顕微鏡により検査を実施し、はんだの状態をチェックします。最終的に、はんだづけに用いるフラックスや堆積した汚れなども専用クリーナーで除去します。

仕上げとして基板に対して防湿絶縁コーティングを施工します。弊社ではコーティングの乾燥工程で温度プロファイルを管理しながら、焼き付け(熱を加える)工程を実施するため、より強度の高いコーティングが可能です。センサー部分にコーティングのミストが付着すると不調の原因となるため、徹底的にマスキングを行い、基板部分のみにコーティングを施工しました。

シールドも忘れずに装着します。一見簡単そうにも見えますが、金属製のため熱が逃げやすく、実は熱管理などの熟練の技術が要求されます。

最後にシーリングを施工し、防水処理を行います。乾燥に時間がかかることから、即日での作業が難しくなってしまいますのでご了承ください。
このように、単にはんだの打ち直しをするのではなく、「蓄積した修理の経験を元に、より耐久性を高める作業」を実施いたします。エアフロ不調でお困りの際は、お気軽にお問い合わせいただければ幸いです。
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自動車電子制御ユニット整備専門
キャニーエクイップ サービス部
Tel:027-289-2341
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BNR32のFPCM外観
タイトルの通り、一部の日産車にはフューエルポンプコントロールモジュレータ(FPCM)という燃料ポンプの動作を制御するモジュールが搭載されています。実は、FPCMの故障が原因でエンジン不動となってしまうケースは多く、中には基板が焼損してしまうケースもあります。

焼損したFPCM(部品および基板が焼損)
このFPCMは、部品の実装面(はんだ付けする部分)が片面の基板です(現在のECUは基板の中にも層がある多層基板がほとんどです)。このため、はんだ自体の経年劣化や振動の影響でクラックが発生することが多く、導通不良が原因で故障が発生してしまうことがあります。

コネクタ部のクラック拡大写真(BNR32 FPCM)
今回はフェアレディZのエンジン不動にて修理をご依頼いただいた際の事例をご紹介いたします。ECUをお預かりしたお車はエンジン不動とのことであり、燃料ポンプが駆動していないところまでは判明しておりました。このような故障事例の場合、エンジン制御ECUの故障で燃料ポンプが駆動しなくなる事も多々あります(第二世代GT-Rではよく故障するため、事前メンテナンスのオプション設定もあります)。ただし、お客様からお話伺うとFPCM(フューエルポンプコントロールモジュレータ)も故障が疑われましたので、エンジンECUとFPCMの両方をお預かりすることとなりました。

お預かりしたZ32のFPCM(焼損が発生)
点検の結果、FPCMに故障が発生していることが判明いたしました。また、写真の通り基板も焼損してしまい、ダメージが見受けられます。しかし、このFPCMには大きなクラックなどの故障は見受けられませんでした。そのため、更に詳しく原因を追求したところ、電解コンデンサの経年劣化により故障が発生しておりました。電解コンデンサの容量である静電容量は47uF→3.4nFとなり「14,000分の1にも満たない値」となっておりました。また、等価直列抵抗(ESR)もおよそ1Ω→1.6kΩと通常の「1600倍もの値」となっておりました。これでは燃料ポンプが回るはずがありません。

シルエットECUを組み付けたBNR32のFPCM
このように焼損してしまうケースも多く、片面基板では補修が難しい(強度や自動車用として継続的な利用を満足できる品質が確保できるか否かという点も考慮します)ということもあります。このため、弊社ではシルエットECUという製品を設計・製造しております。この基板は、FPCMの動作は純正同様のまま、部品や基板の設計を現代の技術を用いて製造した製品であり、ご安心してより長くお使いいただけるような工夫が盛り込まれております。もちろん、既存のFPCMが修理可能な場合には修理を実施いたしますので、お困りの際はお問い合わせください。

カスタマイズのため部品交換を実施(参考画像)
今回はこの製品を用いてZ32用にカスタマイズを実施いたしました。というのも、GT-RとフェアレディZでは制御に多少の差があり、どちらも3段階の制御は同じですが、駆動範囲が異なります。もちろん、この製品は自社にて設計しているため、どの部品をどのように変更すればZ32と同様の動作となるかは把握しております。ほとんどがチップ部品ですが、弊社ではチップ部品の実装も大得意ですので、すぐにカスタマイズは完了いたしました。検証を行い、品質を確認して出荷となります。また、同時に問題のなかったエンジンECUのリフレッシュもご依頼いただきましたので2つ合わせてご返送させていただきました。まことにありがとうございました。
FPCMについても「お問い合わせ・修理のご依頼」よりお気軽にご連絡ください。
お電話でのご連絡もお待ちしております。
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ECUは「故障する」部品です。「熱・湿気」により経年劣化が進みます。車は炎天下や悪路といった電化製品とは比較にならないほどの過酷な環境の中で利用されるものです。したがって、ECUへの影響も少なくありません(実際に夏期はご依頼が急増します)。
私たちが修理可能なレベルであれば問題ありません。しかし、時々、基板に穴が空くほど焼損しているものもあり、そうなると残念ながら私たちでも修理は不可能です。その場合、リビルト品・中古品といった代替品があれば、(価格は別として)延命の可能性はあります。

基板に穴が空くほど損傷が進んだ例。
こうなるともはや修復不可能です。

発熱がひどく蓋まで穴を空けてしまうケースもあります。このような場合には、ECU故障のみならず車両火災に発展するリスクも非常に高くなります。
しかし、既に代替品が入手できない場合はどうでしょう。廃車の可能性は飛躍的に高まります。実際に、泣く泣く廃車せざるを得なかった方々を数多く見てきました。そんな姿を見る私たちもご支援できなかったことでとても辛いに思いになります。
だからこそ。私たちはご提案します。
重篤な症状に陥る前に、事前メンテナンスによる部品交換・リフレッシュは大変有効です。ひとつでも多くの「Long Life」のご提供を使命とするキャニーエクイップからのご提案です。
お気軽に「お問い合わせ・修理のご依頼」のページからご連絡ください。
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弊社で使用している「防湿・絶縁コーティング」は基板製造の際にも使用されているもので、もちろん再はんだが可能(=再修理可能)です。 (はんだの熱により被膜を除去できるので、コーティング除去の必要もありません。) 湿気などからバリアする性質があり、基板パターンに絶縁被膜を形成して信頼性を向上させます。
自動車の電子制御ユニットに使用されている基板の断面は、下記の画像のように層を形成しております。(画像は簡略化しており、通常は多層基板がほとんどです。)
絶縁体(コア)の上に薄い銅箔がプリントされています。(この銅箔を回路のようにプリントしてあるので「プリント基板」とも呼びます。) そして、その上に「ソルダーレジスト」と呼ばれる被膜があり、はんだがつかない部分を保護しています。 例えば、湿気がある状態でレジスト層がなければ直接、銅箔に悪影響(腐食)を与えてしまいます。湿気がなくても銅は金属ですので「酸化」(=錆)します。 さらに、自動車では家電製品とは比べ物にならないほど過酷な環境下で使用し、高い信頼性が求められることから「コーティング」が施してあるものがほとんどです。 では、電解コンデンサからの電解液漏れが発生した場合はどうなるでしょうか。下記の画像をご覧ください。
コーティングやソルダーレジスト層、さらには銅箔にまで浸食します。銅箔が完全に浸食されると制御信号が伝わらなくなり、「エンジンがかからない」などの症状が発生します。 弊社では、この漏れ出した電解液を完全に除去し、必要に応じて基板の補修を実施いたします。(基板の状態に合わせて補修内容は異なります。)
漏れ出した電解液を清掃する場合、腐食したレジスト層まで清掃することがほとんどです。 つまり、銅箔の層まで清掃することがあり、「コーティング」が必須になります。 ※防湿・絶縁コーティングを行わないと、銅箔むき出しのままで、「酸化や湿気による腐食」などの影響を受けてしまうからです。 なお、漏れ出した電解液を清掃しないと引き続き悪影響がでますし、元のコーティングやレジストは本来の機能が失われていることがほとんどです。
お気軽に「お問い合わせ・修理のご依頼」のページからご連絡ください。 お電話でのご連絡もお待ちしております。
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以下は、修理履歴があるが不具合があるECU修理のご参考になればと思い、掲載されていただきます。
修理履歴があるECUの中で一番多いのはこのパターンです。ネットではコンデンサを交換したら症状が改善したという記事などもありますので、コンデンサ交換を試みる方が多いようです。しかし、コンデンサ交換だけではECUが直らない理由にも記載しておりますが、コンデンサを交換しただけでは直らない場合がほとんどです。この場合は、通常通りの修理を実施し実車確認をしてお返しするという形になります。 ただし、作業状況によって下記のような問題が起きていることがあります。
基板上には回路がプリントされており、スルーホールという穴に電子部品を固定しています。 部品ごとに適切な専用機材を使用しないと、このスルーホールがとれてしまいます。 そうなると部品に信号が伝わらず正常に動作しません。 下記の画像をご覧ください。

緑色の基板を貫通するように銅のパターンがプリントされています。この貫通部分が「スルーホール」です。このスルーホールに差し込んだ部品の足をはんだで固定しています。 また、スルーホールから別の部品へと回路が印刷されています。(画像では基板の裏表で、左の足が部品Aに、右の足が部品Bにつながっています。) 部品を取り外す際に適切な機材を使用しないと、このスルーホールがとれてしまい下記のようになってしまいます。

左の足のスルーホールが取れた場合、無理やりはんだで基板に固定しても部品Aへの回路が断線してしまいます。このような場合は基板補修で修理できることがあります。 ただし、下記のように基板が何層にも重ねられている場合は修理できないことが多くなってしまいます。(基板補修ができない可能性があります。)

いままでにもJA11ジムニーのATコントローラで作業履歴があり、電源系の回路のスルーホール及び回路のほとんどがなくなっているものがありました。20箇所以上の補修を行い、正常動作を確認してお返しいたしました。
基板上には電解コンデンサのような大きい部品のほかにも、1mmほどのチップの部品も多数使用されています。 はんだごての使用になれていない場合やこて先が適切でない場合に、とれてなくなってしまったり焼損したりしてしまいます。 また、チップ部品はつける作業も専用機材や高度な技術を要します。
左がスルーホール実装タイプ、右がチップ実装タイプです。(左右どちらもトランジスタという同様の部品です。) さらに、チップ部品の場合は部品自体の規格を把握することも困難です(小さすぎて印字できないためです)。弊社では1KZ系車種は実車を準備している関係上、規格の判別が困難なチップ部品でも正常なECUと比較できるので修理できます。
はんだ付けといえば、技術の授業でやったことがあるという方も多いのではないでしょうか。しかし、一言にはんだ付けといいましても、奥が深く高度な技術を要します。 作業履歴のあるECUでよくあるのが、はんだ充填不足(目玉はんだ)、イモはんだ、過熱、はんだブリッジ、はんだボール、追いはんだなど様々です。 よくあるのははんだの盛りすぎ、はんだ付けした後にリードを切っているものがあります。 弊社では適正なはんだ付けを徹底し、不良箇所はすべて修正ておりますのでご安心ください。
コンデンサには静電容量という、電気をためる量が決まっています。よく見ると、コンデンサ表面に~uFと書いてあります。この「uF」が静電容量の単位で「マイクロファラド」と読みます。 また、極性もあります。バッテリーのプラスとマイナスと同じです。 作業履歴のあるECUでは、静電容量の異なるコンデンサを使用しているために正常に動作しないものがよくあります。
上記の例は、3.3uFの箇所に4.7uFが使用されているECUです。
上記の例は、コンデンサの極性が逆で取り付けられているECUです。コンデンサの逆接は、爆発の可能性があり非常に危険です。写真でもわかるようにかなり膨らんでいます。 フタのように基板が覆いかぶさって固定するタイプの場合、爆発したら修理不可となるケースがほとんどです。 弊社では、1KZをはじめJZ系ECU、JA11など修理実績のあるECUはすべて回路データ及び写真をデータベースとして残しております。規格外の部品が使用されている場合は、もちろん交換を実施いたします。 上記の例はあくまで一部の例です。作業履歴のあるECUすべてに当てはまることはありません。作業履歴があるのにお車に不調がある場合にご参考にしてください。 また、弊社までECUを送付いただければ責任をもって点検を実施させていただきます。お困りの際にはお声がけいただければ幸甚です。
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赤枠の部分が社外ROMとなり、純正のICやROMに割り込みをしています。もちろん、これらの書き換えなどは一切行っておりません。 あくまで、純正部分の故障箇所の修理のみとなります。とはいえ、社外ROMに影響が出ないように作業するため、慎重な作業となります。 ※これらの社外ECUの場合には、必ず封印シールが施されております。修理の際は開封の必要がありますので、開封にご同意いただける方のみ修理可能となります。 また、1JZのブーストアップしたコンピューター修理をご紹介いたします。フタにはなにやら恐ろしいことが書いてありますが、お客様の承諾のもと、開封いたしました。
サブの基板が搭載されておりました。もちろんここは触れずに、メイン基板の補修~部品交換および防湿・絶縁コーティングなどの修理項目を実施してお返しいたしました。 社外のチューンしたコンピューターでも故障して不具合は発生します。 お困りの際にはお気軽に「お問い合わせ・修理のご依頼」からご連絡ください。
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