あたらしい創作絵本大賞は、こどものためのロングセラー絵本を創作する人を発掘していくコンテストです。
第17回の審査結果を発表します。
たくさんの作品応募ありがとうございます。
受賞されたみなさま、おめでとうございます!
大賞
「おばけのランタン」ミドリノハッパ

●プロフィール
1999年生まれ
愛知県在住
名古屋造形大学 イラストレーションデザインコース 卒業
名古屋造形大学大学院 先端表現 修了
大学の頃から現在まで独学で絵本を勉強中
地元の山の中でデザインの仕事をしています。
●受賞コメント
この度は大賞に選んで頂きましてありがとうございます。
この物語は、おばけとおばけの形をした小さなランタンが出会うお話です。
物語の中で特別なことが起きたり、キャラクターに大きな変化があるわけではありませんが、おばけの日常で起こった出来事を切り取ったような物語を意識して制作しました。
作品としてまだまだ拙い部分がありますが、いただいた評価を念頭にこれからも絵本作りを続けて行きたいと思います。
優秀賞
「あるひこたつがいいました」むぎはら
佳作 5作品
香曽我部 秀幸
『おばけのランタン』モノクロームを基調とした画面に黄色1色のみを使って、おばけとランタンを描いた瀟洒な描写は、審査員一同の眼をひきました。お話も何かドラマチックなことが起こるわけでもなく、物静かに時間が経過していきます。全体の統一感が心地良く感じました。ただ詞(ことば)の表現は粗さが気になります。ムードに流されず、時間経過や前後関係の的確な表現を心がけてほしいと思います。
『あるひこたつがいいました』コタツがある日突然立ち上がって外に出かけるお話は、奇想天外のように見えて案外誰もが思いつく展開ではありますが、発端から結末まで起承転結が齟齬もなくすっきりとまとまっています。コラージュ風の画面も色彩のバランスがお洒落で目に心地良く映ります。ただエピソード自体は月並みで、もっと冒険しても良かったかなと思います。
『ピューンととぶ きんのすけ』原画を見ていないので、本当にコラージュなのかCGなのか判断がつきませんが、色染め和紙をちぎって貼り合わせたような画面にはエネルギッシュな美しさが感じられ、お話も作者の”語る喜び”が伝わって来るようです。
『おひるねびより』の柔らかで温かい曲線、『えいゆうのせきぞう』の遠近感を強調した劇的空間の演出など、この2作品は絵の表現力においては群を抜いていました。画力はすでにプロの水準に達していると言っても良いと思われます。ただ、お話の既視感を拭い去ることはできません。今一つ物語に深みを持たせる工夫を望みます。
長野 ヒデ子
あたらしい創作絵本大賞にご応募ありがとうございます。
みなさん力作ぞろいでびっくりですが、このコンクールの大賞作品は出版されるというすばらしい特典があります。
いろいろな賞がありますが、受賞したからといって、それが出版されることはほとんどないです。この賞は実にラッキーなことに堂々と出版されるのです。すごいコンクールなのですよ。
だから出版と考えると、大事な要点を満たしているかなどを考えると実に難しい問題がいろいろあります。
受賞だけなら、これを押したいと思う作品でも、出版となると少し違ってきて、店頭に並び読者が気に入ってくれる事が大事な条件でもあるのです。
アイデアがいい、絵がうまい、お話が巧みでよくできている、だけでは出版にはならないのです。これはコンクールでなくても出版とはそういう大変な力を持った作品が選ばれるのです。だからこのコンクールの大賞は、出版にこたえられる作品ででなければ選ばれないのです。その難しい難関をクリアした大賞の『おばけのランタン』おめでとうございます。視点が面白く詩情あふれる絵ですね。
『あるひこたつがいいました』や『シャワーバケーション』はアイデアは面白いけど、もうひとつはじけたところが欲しかった。個人的には『ピューンととぶ きんのすけ』は気持ちが良い作品で、よくある貼り絵作品の枠を超えて愛情があり、丁寧な画面つくりがとても気持ちよく面白くて、とても好きです。でも他の審査員の支持がなかった。ありふれているようでこのように気持ちいい貼り絵の味はなかなか出せるものではない。これからも頑張ってください。
受賞者のみなさん、受賞に及ばなかったみなさんも、これからも頑張ってください。自分でこれならいいと思いダミーを作っても、私だって全て採用されるわけではありません。没になる作品もいっぱいありますよ。創作とは厳しいのです。めげないでこれからも期待しています。
みやざき ひろかず
大賞『おばけのランタン』…モノトーンの線画がクラシカルなのになんだか新鮮で魅力的。おはなしは不思議で想像力が刺激されます。とくに大きなドラマがあるわけではないのだけれど何だかわくわくします。ただ「ランタン」としての意味合いがよくわからなくて読後に「?」が。もっと作者が伝えたい「何か」が感じられたらよいな…とおもいます。
優秀賞『あるひこたつがいいました』…くっきりした絵、シンプルでわかりやすいおはなし。ほのぼのとして楽しい気分になります。せっかく「こたつ」が外の世界に出たのだから鳥や犬ではなくもっとワクワクドキドキの非日常な体験をさせてあげたかった。
佳作『そんなのやだよ』…個性的で力強い絵、色彩がとても素敵です。次はストーリーのある絵本にチャレンジしてほしい。
『シャワーバケーション』…とてもユニークな絵が心に残ります。おはなしも楽しい!人物の描写にも同じようなユニークさがほしい気がします。
『えいゆうのせきぞう』…魅力的な作品です。大きな主人公の石像が白っぽくて存在感がないのがとても残念。
『おひるねびより』…素直で丁寧な表現、美しい水彩画が魅力的。おはなしにもう少し新しさや意外性がほしいような…
「ピューンととぶ きんのすけ」…大胆な構図とちぎり絵が魅力的です。ちぎり方がすこし丁寧すぎるかな?
宮下 恵茉
今回から審査の規約が変更になったので、応募作が減るのではとの懸念もありましたが、変わらずたくさんの作品が集まり、審査員一同、ホッと胸をなでおろしました。
そんな中、審査員のほぼ全員が推した『おばけのランタン』が大賞に輝きました。おめでとうございます! とても魅力的な絵柄で、誰もが共感できる、完成度の高い作品でした。きっと多くの読者の心をつかむ一冊になるでしょうね。発売が楽しみです!
優秀賞の『あるひこたつがいいました』もユニークでバランスがよい作品でした。こたつの動きがとてもかわいくて、きっとこどもたちにも愛される作品だろうなと思いました。
個人的には『えいゆうのせきぞう』が今の時代にぴったりで好きな作品でした。『そんなのやだよ!』にも多く票が集まりましたが、絵本としてはもう少し工夫があるとなおよかったという意見もありました。『おひるねびより』はやわらかなタッチの絵に、心温まるユーモアがマッチした作品でした。『シャワーバケーション』はシュールな作風で、思わずくすっと笑う展開に新しさを感じました。『ピューンととぶ きんのすけ』はちぎり絵が魅力的な作品。ラストが唐突だったので、もうあとすこしエピソードのつながりがあると評価があがったのではないかと思います。
また惜しくも佳作には入りませんでしたが『よふかしマオのおたんじょうびプレゼント』は店頭にあれば思わず手に取りたくなるようなかわいらしい絵柄で好感が持てました。ストーリーにあと一工夫あると入賞につながったのではないかと思います。
毎回感じることですが、絵に比べテキストがおざなりになっている作品が散見されます。
絵本は絵とテキストどちらも大切。絵だけでなく、ストーリーの構造も意識した作品作りが求められています。ちょっとひっかかるなと思ったら、思い切って展開を変えてみたり、エピソードの順番を変えてみたり、ぴったりくるバランスを見つけてください。
次回もたくさんのあたらしい絵本に出会えるのを期待しております。
森 貴志
大賞の『おばけのランタン』は、審査員ほぼ全員から評価されました。落ち着いたトーンで静かに展開するおしゃれな雰囲気をもつこの作品は、読者対象の輪郭がややぼやけた印象があり、子ども向けの「絵本」として出版するには検討する要素があると考えられますが、今回のダントツでした。ページの使い方にも変化があり、全体の構成のバランスもよいと思います。
優秀賞、佳作の選考は、なかなか難航しました。
優秀賞の『あるひこたつがいいました』は、こたつが話し、動き出すという奇想天外な設定で、こたつは家を飛び出し、外の世界を走りまわります。絵がユーモラスで、最後は気分があたたかくなる物語です。見開きごとの展開にリズムがあり、テンポよく読むことができます。
今回はなぜか、ランタン、こたつ、シャワー、せきぞう(石像)と、本来は動くはずのないモノが動く設定が多かったように思います。こういった傾向は興味深い一方で、その新規性や必然性が問われます。
前回からさらに応募作数が増え、たいへんうれしく思っています。ただし、今回は佳作のなかでも審査員で意見の分かれているものがいくつかあり、全体の応募作数と質(レベル)が比例しているとは必ずしもいえないと思われます。毎回の審査会で「絵本」とは何かをあらためて考えることになるのですが、「絵」と「ことば」のいずれかが優れていても「絵本」にはならず、その両方の表現によってある世界が読者に伝わったときに、「絵本」というメディアの魅力が生まれるのだと思います。次回も「あたらしい創作絵本」が多く届くことを楽しみにしています。
創作絵本大賞 事務局
今年より参加費が変更になり、応募者が減少するのではと心配していましたが、昨年より多くの作品が届きうれしかったです。
年々、応募作品のレベルが高くなり、開封して読むのがとても楽しかったです。
みなさん作品のまとめ方がうまくなったぶん「これどこかで読んだかも?」という既視感のある作品も多くありました。
残念ながら入選にはなりませんでしたが『おおうさぎさんとおもち』は、ページのめくりを意識した構図や色の使い方は好感度が高かったです。「おもち」と「うさぎ」では、先の展開がよめてくるのがもったいなかったです。他の人が思いつかないようなネタで応募いただけるといいですね。『カピバラおんせん』も絵の描き込みが細かくて絵探しがおもしろい作品でした。ただ温泉ネタは多くの作品に使われていることもあり、新鮮さに欠けたのがもったいなかったです。
作者にしか思いつかないような作品、あっとおどろくような作品をお待ちしています。
来年も、あたらしいアイデアの作品をお待ちしています。
過去の受賞結果
第16回あたらしい創作絵本大賞の審査結果
第15回あたらしい創作絵本大賞の審査結果
第14回あたらしい創作絵本大賞の審査結果
第13回あたらしい創作絵本大賞の審査結果
第12回あたらしい創作絵本大賞の審査結果
第11回あたらしい創作絵本大賞の審査結果
あたらしい創作絵本大賞は、こどものためのロングセラー絵本を創作する人を発掘していくコンテストです。
第16回の審査結果を発表します。
たくさんの作品応募ありがとうございます。
受賞されたみなさま、おめでとうございます!
大賞
「ぜったいむり子」たちばな のりゆき

●プロフィール
札幌市在住。地方公務員。若い頃の夢に再チャレンジということで4年前から絵本づくりを再開。魅力的なメディアが多くある現代、それに出会う前の子供たち(5歳前後)を絵本で笑わせたい!というコンセプトで作品をつくっています。
●受賞コメント
かつて子供時代にテレビを前に笑い転げた「バラエティ」や「コント」が創作のベースになっています。この作品では「こんな○○は、嫌だ!」のように次々と変なものが出てきます。それに主人公がツッコミを入れるという流れですが、読者がそれぞれの感性で別のツッコミをいれても面白いかもしれません。自分もすごく楽しみながらつくった作品ですので、今回、大賞という評価をいただき、選考に携わられた皆様に感謝いたします。本当にありがとうございました。
優秀賞
「てんてこまいサーカス」みずの まゆ
佳作 5作品
香曽我部 秀幸
賞の数に限りがあるため、このような順位がついてしまいましたが、皆さんの作品は甲乙つけがたく、ほぼ横一線でした。ただ毎年申し上げていることですが、絵は達者なのに物語の構成が不十分なものが大半です。思い付きだけで物語を展開させていて、そこからの発展が乏しく、徹底して練り上げる作業が疎かになっているように感じます。
そんな中にあって『ぜったいむり子』は絵の個性がダントツでした。建築資材のボードに描いたかと思わせるベージュ色のバックにきわめて強い黒の輪郭線、オレンジ色・黄色・灰色などを配した色彩構成はただならぬセンスを感じさせてくれます。ただ、物語の推移には不満で、とくにごりばあが出現する15場面以降には違和感を感じました。
『てんてこまいサーカス』は最も完成度が高い作品で、サーカスのシーンに重ねて子育ての大変さを表わした物語は大いに読者の共感を得ることでしょう。絵にもう少し新鮮味がほしいところです。
『ほんのおうさま』『ぼくのすきなこと』の2作品は絵の表現は大変魅力的ですが、物語の展開、とくに後半から終結部に難があります。作品のテーマは何処にあるのか、読者に何を読み取ってほしいのか、さらなる推敲を重ねることを望みます。
長野 ヒデ子
今回の大賞の『ぜったいむり子』は本当に楽しく、久々に大賞が出て嬉しいです! なにより、展開がワクワクしてページをめくる楽しみが大きい。しかも読者を裏切り「えっ!こんなことに!」とおどろかしてくれるテクニックはいやらしくなく、気持ちがいい展開で「うまいなあ!」と思う。
何度も見返していると「ここはこうした方がいいかなあ!」「なぜ左開き?」とか思うこともいろいろありますが、それも新鮮に見える。最後の方でおばあさんが出てくるところが、賛否両論でした。でも、審査員の中でおばあさんの私は、「全然コレもいいわよ!」と思う。無理やり自転車に乗りたい子どもといっしょに乗り切った感じがする。 絵が切り絵の様なデザイン的なスッキリした新鮮さが気持ちいい。でもそのスッキリした感じが洗練されすぎで、泥臭さ、人の温もりが少し欲しいなあと思った。それがあるとさらに素晴らしくなる。おめでとう!
今回の応募作品にはパソコンで描いた絵が多かったです。綺麗な線、無駄のない色合いなどなど本当によくできている。でもよく見ていると、なぜかどこか全体的に作品から、魅力的な力がなかなか伝わってこない。どこかで観たような、新鮮さが欠けている気がした。「いいなあー」と思う作品もありましたが、結末が力つきてしまっていておしい感じでした。最後まで力を抜かず、ドッカーンとした迫力のあるその人らしい作品を待ってます!
みやざき ひろかず
とびぬけて完成度の高い作品がなく審査員全員が選考に悩みました。
大賞に選ばれました『ぜったいむり子』は、応募作品の中でも絵のシンプルさ、力強さ、面白そうなふんいき、で一歩抜け出ていました。絵の楽しさに比べてお話しはすこしあっさり終わってしまって物足りなく、後半もっともっと盛り上げてほしかったように思います。
優秀賞の『てんてこまいサーカス』は発想がおもしろく好評でした。個人的には絵にもうすこし楽しさや個性がほしい気がします。
佳作の中では『ぼくのすきなこと』がほのぼのとした雰囲気と微妙なこころの動きを描いていて印象に残りました。『ほんのおうさま』は多くの審査員が「おっ!」と思った作品です。絵もすてきで読み始めは心惹かれるのですが…後半の展開が残念です。『クックのいろぬり』は魅力的な絵に引き込まれます。ただおはなしの内容と暗いトーンの絵がうまく嚙み合っていないような気がします。『カーニとターコはびようしさん』『ぷるぷるペンギン』は絵にもうすこし新鮮さと個性がほしいと思いました。
宮下 恵茉
今回、審査員のほぼ全員が推した『ぜったいむり子』が大賞を射止めました。
おめでとうございます! タイトルも表紙もとってもキャッチーで、テキストもテンポよく読み進めることができました。失敗するのがいやであとすこしの勇気が出ないこどもたちの背中を優しく押してくれる、そんな一冊になるといいなと思います。
優秀賞の『てんてこまいサーカス』は子育て中の親の苦労に焦点を当てたところが新しいと評価を集めました。この絵本を読んで元気づけられる親御さんも多いでしょうね。
惜しくも佳作になった作品もそれぞれ魅力がありました。
わたしが個人的にいいなと思ったのは絵柄も可愛く安心して最後まで読むことができた『カーニとターコはびようしさん』、色塗りだけでなくテキストの楽しさも魅力があった『クックのいろぬり』でした。どちらもあとほんの少し工夫するだけでぐっとよくなる作品だと思います。『ほんのおうさま』はラストに賛否両論ありましたが、アイディアがおもしろかったです。『ぼくのすきなこと』は哲学的なテーマとかわいらしい絵柄に票が集まりました。『ぶるぶるペンギン!』はさむがりやのペンギンというアイディアが光っていました。
全体の作品を通して感じたことは『ジャストアイディア』で描き始めてはいけない、ということ。そのアイディアをどう伝えるのが一番効果的か『思いつきのその先』が必要です。また、毎年感じることですがテキストをどれだけ練るかも大切です。書き上げたテキストは必ず音読して耳から聞いてここちよいかを確認してみてください。
それだけでぐっと作品のクオリティが上がると思います。
次回も、『あたらしい絵本』に出会えるのを楽しみにお待ちしております。
森 貴志
非常に難しい審査となりました。審査員全員が同じように選ぶ作品はなく、意見に相違も見られました。
大賞となった『ぜったいむり子』は、キャラクターの描き分け方や最後の展開にやや違和感をもたせるものの、ありそうでない絵本作品に仕上がっており、強烈なインパクトと勢いを感じさせるものといえます。
優秀賞の『てんてこまいサーカス』も、実況中継ふうの語りによって、絵と物語に流れがあり、一日の子育ての様子を「サーカス」に見立ててユーモラスに描いています。子育てがおもにおかあさんによっておこなわれていること、また、本コンテストにおける絵本の読者対象が「小学校低学年ぐらい」であることを考慮すると、受賞にふさわしくないという考え方もできます。しかし、このテンポのよさによって描かれる子育ての「てんてこまい」な現実は、読者に楽しく共感を覚えてもらえるように思います。
前回に比べ、今回は応募作数が増え、審査員一同うれしく思いました。受賞作には「はやくページをめくりたい」と思わせるものが多かったかもしれません。しかし、〈読む〉という行為は、その衝動と同時に、大切に1ページ1ページをめくる行為ともいえると思います。
AIが容易に絵本のプロットを生成する時代になりました。次回も「あたらしい創作絵本」として多くの方々が応募してくださることを期待しています。
創作絵本大賞 事務局
今年は、全体的に応募作品のレベルが高く、開封して作品を読むのがとても楽しかったです。幼年童話を15見開きで区切ったような絵本は、昨年より少なくなりましたが、引き続き、応募していただく場合は、幼年童話と絵本の違いを考えて欲しいと思います。
選外となった『リリーのスープ食堂』は、絵の構図や展開は、プロとして通用できそう。ただ、テーマがおとな向けで、読者対象年齢とずれているのは残念でした。『ロイさんのあごひもテーラー』は、絵の細かさや絵を読む楽しさをうまく表現できています。作者のスキなことを思いっきり詰め込んだ、楽しい作品なのですが、子ども読者の興味との微妙なずれを感じてしまいました。『ぼくらのフロートアイランド』は、子どもがスキなものがたくさんでてきてわくわくしました。最後、「夢オチ」で、強引に物語を終わらせたのはもったいなかったです。最後までアイデアを詰め込んでほしいです。
来年も、あたらしいアイデアの作品をお待ちしています。
過去の受賞結果
第15回あたらしい創作絵本大賞の審査結果
第14回あたらしい創作絵本大賞の審査結果
第13回あたらしい創作絵本大賞の審査結果
第12回あたらしい創作絵本大賞の審査結果
第11回あたらしい創作絵本大賞の審査結果
あたらしい創作絵本大賞は、こどものためのロングセラー絵本を創作する人を発掘していくコンテストです。
第15回の審査結果を発表します。
たくさんの作品応募ありがとうございます。
受賞されたみなさま、おめでとうございます!
大賞 なし
優秀賞
「もぐらのモーリー」おおつき じゅんこ

佳作 5作品
おしくも選外
「もしも魔法の手紙が届いたら」やまとうみ
香曽我部 秀幸
今回は残念ながら大賞作品が出ませんでした。すばらしい視覚表現がなされているものも見受けられましたが、何故この結果となったのでしょうか。
前回も同じことを申しましたが、物語のテーマと語り方に弱点があるということに尽きます。絵本の物語作りはただ単に起→承→転→結が整っていればよいというのではなく、読者に感動や驚き、喜びを与えるものでなければなりません。また一見面白い題材であっても、飛躍がありすぎて独りよがりになると読者から見放されてしまいます。絵本の作り手は物語と絵を通じて読者に何を感じてほしいのかをもっと強く意識してほしいと思います。
そんな中にあって優秀賞受賞作品は、本来敵であったタカを見捨てることなく助けようとするモグラに対して、読者の子どもたちは強い共感を抱くことができましょう。ことばの選択も的確で、さらに何と言っても透明水彩の暈しと滲みの効果を最大限に生かした麗しい画面は見事でした。個人的に言えば大賞に推しても良い作品だったかと思います。ただ物語の構造としてはあまりに予定調和的に進んでしまって起伏に欠ける点が少々物足りなかったといえましょう。
賞や佳作を逃した作品にもアイデアの面白さや、発想の斬新さに眼を惹かれるものもありましたが、話し手にブレがあったり、その魅力が絵本表現として不充分に終わっている作品が見受けられ、残念な思いです。
みやざき ひろかず
『もぐらのモーリー』
画力があり水彩画の技法もすばらしいと思いました。大賞にとどかなかった理由は、どこか既視感のあるおはなしではっとするような新しさがなかったことです。
『いちばんたいせつなもの』
登場するたくさんのキャラクターをうまく描かれています。森の生き物=善良、オオカミ=悪者、というのはよくある設定、新しい発想を期待します。
『ぼくらのえんそく』
ぬいぐるみの気持ちになって描かれているストーリーはとてもおもしろい! かろやかな絵も魅力的です。ぬいぐるみの悲哀や人とのふれあいにもう一歩踏みこんだ内容になったらすてきな絵本になると思うのですが。
『おまけのおばけ』
絵もすてきでおはなしもまとまってはいるのですが、なにかもの足りない。もっと驚かせてほしいしもっとおまけの世界に連れて行ってほしいと思いました。
『よるでかいスイカでるよ』
回文はおもしろくよく考えられていると思います。(すこしむりやりな部分もあるようなきがしますが…) あとは回文がもっと生きるような絵を添えて描き文字もひと工夫したいですね。
『はるがきたら』
優しくやわらかい絵が魅力的です。詩のように展開するおはなしもすてきです。春が来て雪だるまが融けるというのはなんとなくわかってしまいますね。もうすこし意外なドラマがほしい気がします。
宮下 恵茉
今年は応募数が例年に比べ少なかったのが影響したのか、残念ながら大賞はでませんでした。その中にあって『もぐらのモーリー』に評価が集まり、優秀賞に輝きました。おめでとうございます! 大賞にあとすこし届かなかったのは、テキストを含めストーリー展開が弱いという意見が多く出たからかもしれません。今回、最終選考に残ったどの作品にも言えることですが『ストーリーの新しさ』『テキストの推敲』にも今一度目を向けてもらえると、よりおもしろい絵本になるのではないかと思います。また、タイトルに魅力が薄いのも気になりました。本棚に並んでいるときに「読んでみたい!」と思えるようなタイトルもぜひ考えてみてください。
個人的にはオリジナリティあふれる回文が楽しい『よるでかいスイカでるよ』、親しみのある絵柄の『はるがきたら』、アイディアがおもしろい『おまけのおばけ』が印象に残りました。次回も、『あたしくておもしろい絵本』に出会えることを楽しみにしています。
森 貴志
絵本とは、「絵」と「ことば(文字テキスト)」によって成り立つメディアです。たとえば物語なら、それを絵とことばの両者の表現によって描き、「本」として束ねます。
今回、残念ながら大賞受賞作がなかったのは、そのバランスを欠いたものが多かったことに原因のひとつがあると思います。特にことばによる説明が冗長すぎる作品が多く、絵とことばそれぞれの役割を考えて構成することの大切さにあらためて気づく審査会でした。ことばを最小限にまで削り、絵を描き込むことで、研ぎ澄まされた作品になるのではないでしょうか。
そんななかで優秀賞を受賞した「もぐらのモーリー」は、絵とことばによって物語が表現されています。後半の展開がやや急な気もしますが、ほとんどの審査員がこの作品を評価しました。
本絵本賞の名称は「あたらしい創作絵本大賞」です。新鮮さ、オリジナル性にも期待します。
次回は大賞受賞作が生まれることを祈りつつ、たくさんの応募作が届くことを楽しみにしています。
創作絵本大賞 事務局
優秀賞の『もぐらのモーリー』は、絵の表現がすばらしく、物語にもう少し盛り上がりがあればさらによかったのにと思え、大賞まであともう一歩たらずで、もったいなかったです。
今年の応募作品は、新しい感覚を入れているけれども、奇をてらいすぎて読者に意味が伝わりにくい作品か、話はまとまっているけれども無難な作品かのどちらかに偏っていたように思います。また、幼年童話に絵をつけたような作品も多く、絵本と童話の違いが、はっきりしていない印象でした。
「作品の足りていない部分を書き直して出版する」という方法もとれるのですが、必ずしも書き直しが、うまくできる人ばかりではないということをふまえて、今回は残念ながら大賞作品を選ぶことができませんでした。
来年こそは大賞作品を選びたいです。
※長野ヒデ子先生は、ご都合のため、二次審査会に参加できませんでした。事前の予備審査の結果をご連絡いただき審査の参考といたしました。
主催:梅花女子大学
共催:梅花女子大学児童文学科・こども学科(児童文学・絵本コース)同窓会、アミーニ(運営・事務局)梅花女子大学こども教育学科
協賛:株式会社未来屋書店
過去の受賞結果
第14回あたらしい創作絵本大賞の審査結果
第13回あたらしい創作絵本大賞の審査結果
第12回あたらしい創作絵本大賞の審査結果
第11回あたらしい創作絵本大賞の審査結果
第10回あたらしい創作絵本大賞の審査結果
第9回、第8回、第7回、第6回、第5回、
第4回、第3回、第2回、第1回
リモートクラス
ぴかぴかクラスは、入門&初級クラスです。
AタームとBタームの6回で基礎を学びます。
全国どこからでも参加できます。初心者大歓迎。
まずは、基礎を身につけながら、5見開きの絵本テキストを書いていきましょう!
力がついていけば、11、15見開きにもチャレンジします。
今まで、絵本を創作をし続けているけれども、お話づくりに悩んでいる方にもぴったりです。
※基本的に絵の指導は行いません。長編・短編童話・児童文学の作評は行いません。
こんな方におすすめ
◎定員:5〜6名(2名以上参加で開催)
◎作品提出方法
作品・課題は、〆切日までにメーリングリストで提出いただきます。
リモートクラス
わくわくクラスは、ぴかぴかクラスAとBの両方を修了した方を対象とした作品合評を中心としたクラスです。
※参加は事前予約制、各クラス終了時に次回の参加の有無を確認します。
※水から土クラス、土から水クラスへの参加日を変更する場合は、各クラスの〆切日の3週間前までにご連絡ください。
◎開催日:3か月に1回
◎水曜日わくわくクラス
第4水曜日 13:30〜15:30
※参加人数が少ない場合は、時間が短くなります。
◎スケジュール
2026年
10/28(水)〆切10/19
2027年
1/27(水)
4/28(水)
◎受講料:5,500円(税込み)/1回
◎定員:5〜6名 2名以上参加で開催
楠 章子
第45回毎日児童小説・中学生向き部門にて優秀賞受賞。 2005年『神さまの住む町』(岩崎書店)でデビュー。『ばあばは、だいじょうぶ』(童心社)は第63回青少年読書感想文全国コンクール課題図書。『星空をつくるプラネタリウム・クリエーター大平貴之』 (文研出版)は第33回読書感想画中央コンクール課題図書。他に『知ってびっくり!歯のひみつがわかる絵本シリーズ』(くもん出版)、『ひえひえひんやりツアー』『スタート』(あかね書房)、『へんくつさんのお茶会 おいしい山のパン屋さんの物語』『森のちいさな三姉妹 森ネコさんのおかしをどうぞ』(Gakken)など。第3回児童ペン童話賞受賞。東北芸術工科大学 客員教授。
ぴかぴかクラス初めての参加は、受講申し込み後、指定の振込口座に、入会金と受講料を1週間前までにお振り込みください。
銀行振込(ゆうちょ銀行・UFJ銀行、楽天銀行)、クレジット決済(square請求書) のいずれか。
銀行振込ご希望の場合は、お申し込み後、振込先をお知らせします。
クレジット決済のご希望の場合は、お申し込み後、square請求書を発行します。
指定期間内に決済お願いします。
リモートクラスは、リアルタイムオンライン講座です。
録画配信しておりません。ご都合でお休みされる場合は振り替えクラスがありませんのでご了承ください。
オンライン講座で必要な物
●インターネット通信回線(ご家庭のネット回線、スマートフォンのパケット、ポケットWi-Fiなど)
●PCまたはタブレット、スマートフォン(wi-fi等に接続し、通信環境の良い所から参加して下さい)
●WEBカメラ(PC、タブレット、スマートフォン内蔵カメラ可)
●マイク付きイヤホンorマイク付ヘッドセット(なくても可)
●オンライン会議アプリWebex Meetings(無料、あらかじめインストールしておいてください)
オンライン教室受講の手引きをこちらからご確認ください。
【オンラインテストミーティング】
Webex Meetingsのホームページで、接続・設定が確認できるテストサイトがあります。(無料)
オンラインテストミーティング
塗り方でいろんな表現ができる水彩絵の具。
使い方の面白さを学んでみませんか?
初めての方でも参加できます。
水彩絵の具の塗り方、表現方法を講師と一緒に試してみます。
【日時】2023年10月1日(日) 13:30〜15:30 申し込み受付終了しました
【受講料】6,000円(税込)
受講料の振込先は、申し込み後連絡します。
入金確認後、「申込受付」のメールをもってご参加席の確保とさせていただきます。
【参加定員】6名 申し込み受付終了しました
【会場】絵本教室アミーニ(谷町六町目徒歩1分)
【当日の持ち物】使われている水彩絵の具、筆(3〜4本)、筆洗いバケツ、筆洗いぞうきん、パレット、水彩用画用紙、2H〜4Hのえんぴつ。
【内容】
講師が描き方の見本をみせて、その後、みなさんも一緒に描いていきます。
絵の具の使い方、水彩絵の具の表現方法など、わからないことがあれば講師に質問できます。
講師:みやざきひろかず
『ワニくんのおおきなあし』で、第一回ニッサン童話と絵本のグランプリにて絵本大賞受賞。主な作品に『ワニくんのおおきなあし』などのワニくんシリーズ、『パウルのスケッチブック』(BL出版)、『ほんのにわ』(偕成社)、『ゆっくりむし』(ひかりのくに)などがある。
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