男性方から納める「結納」に対して、女性方が納める包みを「結納返し」と呼ぶことが多いようですが、正式には「お輿入れの包み」や「婚礼の包み」と呼びます。「結納返し」というと、”結納をお受けできないのでお返しします”という意味、つまり破談とか婚約破棄とも解釈されるので気をつけましょう。
福井での御輿入れの包みの受け渡しは、結婚式の当日、式場へ行く前に婚家へ立ち寄って、仏壇参りをする前に行うことが多いようです。
福井では今でも花嫁一行が到着すると、それを見物に来ている人たちに万寿を手渡したり、家の2階や屋根の上から万寿をまく風習があります。最近は万寿だけでなく、そばやラーメン、スナック菓子など、にぎやかにまかれています(結婚式の演出に取り入れている式場もあります)。
いつ頃から始まった風習かは定かではありませんが、大勢の人たちに見物に来てもらうための、人寄せの意味があったようです。
≪マメ知識≫
草履のはな緒の向きはそのままで
「一生水」を飲んだ後は家の中に入りますが、その際に履いてきた草履は向きを直さず、はな緒を座敷の方に向けたままにしておくという風習があります。これは”その家に入ったら、その家の者になって出て行かない”という意味があるようです。
●飾り付け
できれば結婚式当日は、男性・女性それぞれの家で、床の間におめでたい掛軸(三幅対、高砂、寿老人など)をかけておきます。
さらに、男性方(婿養子の場合は女性方)の家では、玄関に家紋入りの幕を張ったり、床飾り(立ち棒、稲穂、熨斗おさえ)をすると良いでしょう。家紋入りの幕は、白紺または紺一色のものを使います。
●一升マスとかわらけ(土器)
男性方の家に入るときに行う「一生水の儀」で用います。結納品店などで購入できます。
●落ち着き餅
嶺北地方では、男性方が女性方に軽いお食事や落ち着き餅、そば、赤飯などを用意することが多いようです(地域によって雑煮だったり、あんころだったり、おろし餅だったりと様々です)。
落ち着き餅やそばを出すのは「早く婚家で落ち着くように」などの願いが込められています。さらに、早朝からの支度で食事をする暇もない当人にとっては嬉しいエネルギー源になります。
●万寿・風呂敷
近迎えやご近所挨拶まわりの際に万寿や風呂敷を配ったり、万寿まきをするのであれば、その準備も必要になります。
●昆布茶・さくら湯
「お茶を濁す」「茶々を入れる」という言葉に通じることから、結納や結婚式などの慶事では煎茶は用いず、昆布茶もしくはさくら湯を出すようにします。桜には「散る」というイメージがあることから、昆布茶でなければいけないというところもあります。
※実際は、最初に昆布茶もしくはさくら湯を出し、その後は煎茶などを出すことが多いようです
当日、面食らうことのないよう、あらかじめ双方で話し合っておくことが大切です。
]]>●男性
結納での正装は「略礼装」になります。
ブラックスーツ、またはダークスーツに白のワイシャツ、フォーマル感のあるネクタイを合わせます。
●女性
和装の場合、振袖が多いようですが訪問着でも構いません。
洋装の場合は、ドレッシーなワンピース、またはスーツなどが良いでしょう。露出度の高いものは避けましょう。
◎納め方「幾久しくお納めください」
◎受け方「幾久しくお受けいたします」
上座には結納品を受ける側(通常、女性側)、下座には納める側が着座します。
※結納後の会食は、納め方が上座に、受け方が下座になります(結納時の座る位置と逆)
結納は一つの儀式であり、ケジメでもあります。結納金の大小に関わらず、「納めた」「受け取った」という事実がふたりの将来にとって「末永く幸せに暮らさなければならない」という決意ともなるようです。
]]>●福井の結納 基本の五品目
一般的に結納の内訳は、帯料、喜多留、寿留女、納幣熨斗、寿恵広の五品目が嶺北地方での基本となっています。それに、子生婦、友白髪が加わり、優美和、小袖料、車料などと増えていきます。
<帯料>
結納金を入れる。
<喜多留(酒料)>
一家の幸福と長寿を象徴する祝い酒
<寿留女(肴料)>
スルメ。幾久しくという意味があり、女性の幸福と長寿を象徴する
<納幣熨斗>
本来はアワビノリを干して長くのしたもので、長生不死を象徴する
<寿恵広>
一対の純白無地扇。純潔と末広がりを意味する