この秋、九段下のイタリア文化会館では、
ファルネジーナコレクション25周年を記念して、
本展は700点を超えるファルネジーナコレクションから、
イタリアを代表する女性アーティストに焦点を当てたもの。
ヨーロッパ外で公開されるのは、今回が初めての機会とのことです。
出展作家は、22名。
不勉強ながら、誰一人として存じ上げませんでした、、、
それだけに、すべてが新鮮に映る展覧会でもありました。
ではここからは、備忘録も兼ねて、
特に印象に残った作家を記していきたいと思います。
まずは、トマーゾ・ビンガ(1931~)から。
実は、トマーゾ・ビンガは偽名で、
本名はビアンカ・プッチャレッリ・メンナとのこと。
彼女が本格的に活動を始めた1970年代当時、美術界は男性優位でした。
そこで、皮肉と抗議を込めて、あえて男性的な名前を名乗ったのだそうです。
漫画家で例えるならば、『鋼の錬金術師』の荒川弘先生や、
『落第忍者乱太郎』の尼子騒兵衛先生みたいな感じでしょうか。
なお、本展では、東京での展示に合わせて、
俳句と対話するべく特別に選ばれた彼女の詩も出展。
入り口脇のガラス面に展示されています。
そんなビンガと同じ年に生まれたのが、エリーザ・モンテッソーリ。
その名前を聞いて、有名な教育者を思い浮かべましたが、
あちらは、マリア・モンテッソーリとのことで、まったくの別人でした。
そんなエリーザの《素描》は、どこか山水画を思わせる東洋的な印象も受けます。
と思ったら、彼女の夫は中国系天才エンジニア、マリオ・チューとのこと。
その影響が作風にも表れているのかもしれません。
他にも、カルラ・アッカルディ(1924~2014)や、
マリア・ライ(1919~2013)、
レティツィア・バッターリア(1935~2022)といった、
ビデオ作品で初めてファルネジーナコレクションに加えられた作家です。
本展に出展されていたのは、《狐とオオカミ 主導権をめぐる争い》。
本来、タンゴは男性がリードするものですが、
この映像作品においては、キツネの女性が、
オオカミのマスクの男性をリードしています。
日本には、女狐というイメージがありますが、
イタリアでも、「男性を手玉に取る女性=キツネ」なのでしょうか。
意外な文化の共通点に、妙に親近感がわきました。
続いて印象的だったのは、シルヴィア・ジャンブローネの《鏡 No.34》。
鏡の表面に厚く塗られているのは、蝋。
そこから無数のアカシアの棘が突き出ています。
これこそが人の本性である。
そんなショッキングな事実を突きつけられた感覚に陥る作品でした。
また、ショッキングといえば、ロレダーナ・ディ・リッロの《手紙T(暴君)》も。
包丁を掴んでいるのは、作家本人なのだそう。
彼女に一体何があったのか。
何を訴えかけようとしているのか。
明確な答えはわかりませんでしたが、
痛々しくも、目が離せなくなる作品でした。
最後に紹介したいのは、1973年生まれのシルヴィア・カンポレージの作品。
《三つの教会(水が始まるとき, #2, #3, #7)》です。












